珊瑚庵

Sangoan Garden, Kyoto

世界的にも貴重な、隆起し続けるサンゴ礁の島・喜界島の研究者/アーティスト達により2025年に開かれた京町家。大阪万博で展示された珊瑚が配された坪庭も。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

珊瑚庵について

伏見港「珊瑚庵」(ふしみこう さんごあん)は京都市伏見区にある明治時代に建築の京町家を活用したギャラリー/スペース。日本で唯一のサンゴ礁に特化した研究機関『喜界島サンゴ礁科学研究所』により運営されている一風変わった京町家で、サンゴが配された坪庭があります。

京都の春の風物詩『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』の2026年の関連企画『KG+』ではSceNEプロジェクト《サンゴの日100景:二百の瞳が捉えた喜界島の1日》を展示、公開中(〜5月3日まで)。

近世以降、日本の歴史においてもたびたび重要な舞台として登場する京都・伏見。豊臣秀吉が築城した『伏見城』の城下町として発展、現在では日本の代表的な酒どころの一つとして知られます。
そんな伏見の旧市街の西部、濠川の程近くにある京町家「珊瑚庵」。海に面していない京都市らしからぬ名前…そんな名前となった背景について。

現在この町家を運営・活用しているのは「NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所」。鹿児島の奄美群島に浮かぶ「喜界島」は隆起したサンゴ礁でできた島で、現在も隆起し続けているという世界的にも珍しい島で、世界各地から科学者/研究者が訪れているのだそう。近年は「日本ジオパーク」や国際学会による「世界地質遺産」にも選定されました。

その「喜界島サンゴ礁科学研究所」はその名の通り喜界島の珊瑚礁を研究する機関。その拠点は喜界島のほか、京都の総合地球環境学研究所(地球研)(※貴船の方に行く途中に見えるカッコいい建物)、そしてこの珊瑚庵。元々は研究所スタッフの宿舎として使われていたそうですが、昨年2025年より研究所の活動などを伝える為の展示スペース&交流拠点としても開かれました。

研究所の取り組みとして、ただ科学的な研究に取り組むだけではなく、サンゴ礁を《100年後に残す》を理念として「伝える」ための活動にも注力。なので研究所には科学者だけではなく様々なアーティストも関わっており、珊瑚庵には「喜界島」や「サンゴ礁」をテーマにした作品も展示。(著名な方で言えば写真家・大杉隼平さんの作品など)

元々は米屋だったという明治時代の京町家には、伝統的な京町家の坪庭もあります。…その中で一風変わっている点が、庭石とともに「サンゴ」が置かれていること。こちらの研究所、2025年の大阪・関西万博でも『海の記憶:喜界島 サンゴの方舟』(SceNE プロジェクト)という展示をされていました。その時のサンゴが会期終了後にこの町家に運び込まれ、庭園の一部だったり、玄関に手水鉢のように置かれています。今回のKYOTOGRAPHIE以降も企画・公開はあるそうなので――写真ファンだけでなく、科学や海・自然、そして大阪万博の事を覚えている方はぜひ訪れてみて。

(2026年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京阪本線 中書島駅より徒歩12分
近都京都線 桃山御陵前駅より徒歩15分

〒612-8231 京都府京都市伏見区杉本町452 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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