頼久寺庭園

Raikyu-ji Temple Garden, Takahashi, Okayama

日本庭園の歴史を代表する作庭家/大名茶人・小堀遠州…氏が居館とした寺院に作庭した初期の傑作枯山水庭園、晩春にはサツキの花が咲き誇る名所。国指定名勝。

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頼久寺庭園について

「天柱山 頼久寺」(らいきゅうじ)は岡山県高梁市にある臨済宗(永源寺派)の禅寺。江戸時代の大名茶人/作庭家の代表的存在・小堀遠州(小堀政一)が備中松山城主だった時代には氏の居館として利用され、その庭園は小堀遠州の作庭と伝わり国指定文化財(国指定名勝)となっています。

近年「天空の山城」として注目された備中松山城(猫城主も人気)。その城下町「備中高梁」は先述の大名茶人・小堀遠州が20代の頃から長年に渡り城主をつとめた街でもあります。

その歴史について。そのルーツは室町幕府初代将軍・足利尊氏の命で全国に整備された『安国寺』の一つ(備中安国寺。なお『備後安国寺』には高梁のお隣・吉備中央町出身の作庭家・重森三玲の作による庭園が)。その後、戦国時代に当時の備中松山城主・上野頼久によって伽藍が整備され、その名前を冠する形で寺名が『安国頼久寺』に改められました(そしてやがて安国が取られ「頼久寺」に)。

1600年を迎え、関ヶ原の戦いを経て備中松山城に入ったのが小堀遠州の父・小堀正次(役職は備中国奉行)。その当時は松山城が荒廃していたことから、その居館として頼久寺が利用されることになりました。

正次の後を継いで小堀遠州(小堀政一)が備中松山城主となった後もそれは続くことに。そんな最中に遠州が作庭したと伝わるのがこの頼久寺庭園で、京都〜江戸間で大活躍をする以前、初期の作品となるのがこの庭園です。その貴重さも◎ですが、のちの『大徳寺 孤篷庵』『大池寺庭園』等にも通ずる、茶砂やサツキの「大刈り込み」が特徴的な枯山水庭園で、開放的な愛宕山の借景も素晴らしい!その大刈り込みは花がなくても豪快でかっこいいのですが、例年5月下旬には花を咲かせ、一年で最もカラフルな庭園の姿を見せてくれます。

更に、書院から枯山水の中に伸びる飛び石や、その起点にある青っぽい川石が敷き詰められた空間も、遠州の手掛けた京都の国宝級庭園『金地院庭園』に通ずるものがあるような…(一方で京都よりも出雲〜岡山で目にする空間性でもある)。

現在メインのビューポイントになる書院から眺めると、サツキの大刈り込みや借景に目がいく枯山水ですが、庭園の奥には「鶴島」(立石のある石組に目がいく所)と更にその奥に隠れる形で「亀島」があり、いわゆる「蓬莱式」のお庭。南側の建物(庫裡)から正面に眺めると手前にこの鶴亀が、そして奥に大刈り込みの波模様が眺められ、本来のビューポイントはこちらなのかな…?とも感じます。

なお頼久寺は江戸時代後期の天保年間に大火でそれ以前の(遠州も過ごした)建築は全て消失。なので建築の位置関係も変わっているのだろうし、庭園もそれ以後に修復され変化している点がある…そうですが、その歴史・作風からしても後年の小堀遠州の名作や快進撃における「初期の傑作」に違いない。
庭園を好きになり、枯山水庭園というジャンルや小堀遠州という人物に興味を持った方はぜひ一度訪れて欲しい、いや「訪れるべき」庭園!(城下町としても良い街だし駅からも徒歩圏内なので!)

(2015年3月、2018年3月、2018年5月、2026年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・交通 / Locations

JR伯備線 備中高梁駅より徒歩15分(駅前にレンタサイクルあり)
路線バス「頼久寺口」バス停より徒歩2分

〒716-0016 岡山県高梁市頼久寺町18 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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