国指定史跡・萩城城下町の一角に佇む、江戸時代のお屋敷と大正時代の洋館を活用したカフェ・ギャラリーと庭園。
俥宿(くるまやど)天十平について
「俥宿 天十平」(くるまやど てんじゅっぺい)は国指定史跡・萩城城下町の一角にあるカフェ・ギャラリー。江戸時代の旧家と大正時代の洋館の前に庭園が広がります。
2021年7月に約7年ぶりに萩へ。幕末の志士や明治維新後に政府の要職を務めた人材を多数輩出した萩。そのうちの一人、山縣有朋が椿山荘・無鄰菴など“山県三名園”を作り上げたバックグラウンドとして、萩の城下町では“庭園”が身近な存在だったことが影響している(のだと思う)。
…と言いつつ前回来た時は全然庭園って目線で巡ってなかったんだけど。2015年にユネスコ世界遺産『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』にも登録された萩の城下町は偉人の武家屋敷や町家に多数庭園が残ります。
先に紹介した『高杉晋作生家』や『木戸孝允旧宅』等のある一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区からは少し外れている一方で、『史跡萩城城下町』として国指定史跡となっている珍しい例。
高杉晋作生家からほんの少し(徒歩2分程度)南へ下ったところにある「俥宿 天十平」も先に紹介した『ホトリテイ』と同じく文化財的には国指定史跡からは少し外れている…のですが、江戸時代から残るというお屋敷と大正時代の洋館が残り、ギャラリー&ティールームとして活用されています。
“俥宿”という名は約40年前に萩で初めて観光人力車を開業されたことから。今回はコロナ禍であまりその姿を見掛けられなかったけど、《萩城下町といったら人力車》という程の存在なんだとか。
現在は主にギャラリーとして用いられている書院造りの座敷の前に庭園があります。現在は芝生が張られているので洋館の姿と相まって“近代の庭園かな”と言った雰囲気だけど、飛び石の雰囲気は『花江茶亭』や『菊屋家住宅』の庭園に通ずるところがある。原型は建築と同じく江戸時代からあったんじゃないかな~。
カフェではスコーンが名物とのこと。今回は満席で入れなかった…(予約した方が良さそうです)。
また近隣にもう一つ、『晦事』(コトコト)という店舗も運営されていて、こちらにも良い感じの坪庭がありそうなので、今後訪れる人は立ち寄ってみて。
(2021年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山陰本線 玉江駅より徒歩20分強
JR山陰本線 東萩駅より2.5km(徒歩30分弱)
JR山陰本線 萩駅より約3km
萩駅・東萩駅より路線バス(循環バス)「萩美術館・城下町入口」バス停下車 徒歩4分
※萩駅・東萩駅にレンタサイクルあり
〒758-0077山口県萩市南古萩町33-5 MAP