花田苑

Hanataen Garden, Koshigaya, Saitama

まるで現代の大名庭園!平成年代に開園した埼玉県の代表的な日本庭園。作庭は昭和〜現代の代表的造園家のひとり・中島健。

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花田苑について

「花田苑」(はなたえん)は1991年(平成3年)に開園した埼玉県越谷市立の日本庭園。かつて雑誌企画の“”にも選定されたことのある埼玉県を代表する日本庭園で、昭和・現代を代表する造園家のひとり・中島健による作庭。

関東在住だった頃から「行きたい」と思いながら訪れることが出来ていなかった庭園、2022年のGWに初めて訪れました!武蔵野線や東武伊勢崎線(やそれに直通する路線)を使う方なら越谷ってそんな遠く感じる場所じゃないと思うのだけど、自分は全く縁が無かった…。

かつては畑だった一帯に1988年(昭和63年)〜1990年(平成2年)の約3年を掛けて整備された日本庭園で、地元の歴史ある農家・宇田家の長屋門を模した正門を入ると広大な池泉回遊式庭園が広がります。その広さは約2万平方メートル(6,500坪)。東京ドームの約半分!

瓢箪のような形をした池を中心に、『兼六園』と同じ“琴柱灯籠”や、『岡山後楽園』にもあるような“太鼓橋”がかけられ、太鼓橋の奥には舟遊のための船着場や、『小石川後楽園』のような斜面に笹が植わった園路などなど、歴史的なのデザインも取り入れられている。

かつての総理大臣『吉田茂邸』の庭園などを手掛けた、同じ埼玉県の『川口市立グリーンセンター』や茨城県フラワーパークなど、必ずしも“日本庭園一辺倒”な方ではなくのガーデン的な要素も取り入れた作品を残されている方だけど、その中で『花田苑』は(越谷市の要望もあったのだろうけど)モデルのようなオーソドックスな日本庭園であり、氏によるこの規模の“日本庭園”としては日本・関東で見られる中では随一のもの。

園内には約2,000本?14,000本?だいぶ数が違うけど様々な種類の樹木が植えられ、早春には約50本の梅、4月には同じく約50本の桜が、そして初夏には花菖蒲や約80の紫陽花などなど、季節季節の花を咲かせます。自分が訪れた5月にはツツジやサツキに睡蓮、そして藤棚や新緑が美しかった!

池のほとりにある茶室“開花亭”では“開花亭茶会”、“やすらぎの茶席”など気軽に参加できるお茶会や茶道イベントが開催されている――のですが現在はコロナ禍の余波で休止中。

このGW、関東で色々な公園を巡った中では園内の人口密度が低く“穴場の憩いの場所”といった印象の花田苑。駅から遠いのが少し難点だけど(個人的になかなか足が向かなかったのはそれも大きい)、バス停からもすぐ、バスの本数は少なくないし入園料は100円。

この時も前撮りをされている方もいらっしゃったけど、地元では前撮りや七五三・成人式の撮影スポットしての人気もあるそう。開園して30年ちょっと…地元の方々の記録や記憶に残っていくのはまだまだこれから。土日祝日は19時まで開園しているので昼間の用事の後にも!

あと花田苑と隣接した場所にある和風建築は、埼玉県内で唯一の屋外の能舞台を持つ『越谷市日本文化伝承の館 こしがや能楽堂』。能楽堂の建物内から見た庭園もきっと良いのだろうなー。見学できる時に見学してみたい!

(2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

東武伊勢崎線 越谷駅・新越谷駅/JR武蔵野線 南越谷駅より路線バス「花田苑入口」バス停下車 徒歩1分

〒343-0015 埼玉県越谷市花田6丁目6 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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