
奈良の新名所庭園へ!奈良公園の一角“瑜伽山園地”に残る実業家“滴翠”山口吉郎兵衛の近代別荘庭園と、隈研吾デザインのホテル/レストラン『ふふ奈良』。
瑜伽山園地・旧山口氏南都別邸庭園 / ふふ奈良について
「瑜伽山園地」(ゆうがやまえんち)は奈良県奈良市の都市公園/国指定名勝『奈良公園』の“浮見堂”“鷺池”の南方に位置するエリア。近代には旧三和銀行(⇒UFJ銀行⇒三菱東京UFJ銀行)の前身「山口銀行」を経営した大阪の“山口財閥”四代目・山口吉郎兵衛が造営した別荘があった場所で、当時の庭園「旧山口氏南都別邸庭園」(きゅうやまぐちしなんとべっていていえん)が残されています。また同敷地内には現代の人気建築家・隈研吾がデザインしたラグジュアリーホテル『ふふ奈良』と山口吉郎兵衛の雅号を冠したレストラン『滴翠』が隣接します。
2020年の開園以来、何度か訪れていますが、2025年3月に再訪した際の庭園の写真を追加して改めて紹介。
近鉄奈良駅より約2km東方。小説家・志賀直哉をはじめ、世界遺産・春日山を目の前にのぞむ風光明媚な奈良・高畑界隈は近代には多くの文人・画家・茶人などの文化人が移住し集い“高畑サロン”とも呼ばれました。
そのエリアで公開されている中で代表的な建築・庭園が『志賀直哉旧居』、それに次いで一般公開が始まったのがこの「旧山口氏南都別邸庭園」。2019年に先述の山口吉郎兵衛の邸宅だった時代の茶室「䕪庵」(たくあん)が復元、庭園も共に整備され、2020年5月より一般公開がはじまりました。
復元された茶室を中心に高低差のある池泉回遊式庭園と露地を楽しむことができます。現在はまだ復元されて間もないので一部は新しい印象も受けますが、斜面を活かした立派な大滝(やその石組)は“近代の実業家の邸宅”に相応しい迫力!また竹林の中には鎌倉時代のものとされる古い石塔も。またかつてこの邸宅の茶室には画家・小見寺八山など高畑サロンで過ごしたアーティストが訪れた記録も残るそう。
ちなみに、山口吉郎兵衛が兵庫・芦屋に残した“阪神間モダニズム”の邸宅『滴翠美術館』には(そのモダニズム建築とは裏腹の)主に茶道・茶の湯多めの氏のコレクションや屋内外の茶室が鑑賞できます。
そんな山口吉郎兵衛が茶の湯で師事したのは藪内流の茶人・藪内節庵。同じ阪神間モダニズムの『旧村山家住宅』や京都の『旧三井家下鴨別邸』(いずれも国重要文化財)の庭園を作庭した人物でもあり、旧三井家下鴨別邸の近くにも山口吉郎兵衛の旧邸が残っていたりする(※現在は学校関連施設なので非公開)。藪内節庵がこの奈良の庭園にも関わっていたりしないだろうか…?
隣接する『ふふ奈良』と『滴翠』のランドスケープの担当は現代の作庭家・宮城俊作さん率いるプレイスメディア。『ふふ奈良』に泊まるにはなっかなか良いお値段がしますが…、『滴翠』でのお食事のみのプランもあります。隈研吾建築と庭園が眺められる、新たな奈良の名所へ!
(2020年7月、2021年9月、2025年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
近鉄奈良線 近鉄奈良駅より徒歩20分
JR奈良線・大和路線 奈良駅より徒歩30分
※いずれも駅周辺にレンタサイクルあり
奈良駅・近鉄奈良駅より周遊バス「高畑駐車場・浮見堂」バス停下車 徒歩2分
〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1184-1 MAP
投稿者プロフィール

- Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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