八木家庭園

Yagi House Garden, Kyoto

新選組発祥の地として幕末から残る邸宅には、苔の美しい枯山水庭園も。京都市指定有形文化財。

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新選組遺跡・八木家住宅について

「八木家住宅」(やぎけじゅうたく)は『壬生寺』からすぐ近くにある新選組が結成された家。江戸時代後期に建てられた当時の邸宅が京都市指定有形文化財となっており、別名“新選組遺跡”“新選組壬生屯所遺跡”などの名も。

東京都指定史跡『日野宿本陣』からの続き。日野で出会った近藤勇・土方歳三らは1863年(文久3年)江戸幕府14代目将軍・徳川家茂の警護のために“浪士隊”として上洛。この八木家を宿所とした近藤勇、土方歳三、沖田総司、井上源三郎ら13名はその後江戸に戻らずに、京都守護&会津藩主・松平容保の預かりという形で新撰組を結成。てことで、ここが新撰組発祥の地。

彼らが滞在した八木家は但馬国で発祥した武家で八木安高を祖とし、越前朝倉家の遠戚にもあたります。室町時代後期より京都に住みはじめ、江戸時代には壬生村の所司代をつとめたり“壬生狂言”にも携わったそう。
現代においても八木家は存続しており、受付は八木家の経営する御菓子司「京都鶴屋 鶴寿庵」で行います(最後にお茶とお菓子も)。

京都市の文化財となっている主屋は1809年(文化6年)の建築。苔の美しい庭園は京町家風だけど、長屋門を通って式台を備えた玄関へ至る雰囲気などは格式の高さを感じる。そして、内部には新選組の初期メン・芹沢鴨らが暗殺された際についた刀傷も残る…など、見学の際には現在のご当主・15代目八木源之丞が八木家に伝わる新選組のエピソードなどをガイドしてくださいます。
なお文化財となっている主屋の先にも庭門を通じてお庭と家屋があり、こちらは昭和年代に作られたものなんだそう。

周囲には同じく新選組ゆかりの『旧前川邸』や(今回休館中で見学できなかったけど)『京都清宗根付館(旧神先家住宅)』も。新選組を通っていなくても、江戸期の京都の古建築は楽しい。

(2020年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

阪急京都線 大宮駅・嵐電 四条大宮駅より徒歩6分
JR嵯峨野線 丹波口駅より徒歩10分強・二条駅より徒歩15分
最寄りバス停は「壬生寺道」バス停 徒歩3分

〒604-8821 京都府京都市中京区壬生梛ノ宮町24 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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