
江戸時代の武家屋敷を現代の若手建築家がリノベーションした白石温麺の人気店。苔の美しいお庭は地元の庭師“よっちゃんの庭工房”小畑栄智作庭。
きちみ製麺 つりがね庵(旧 光庵)庭園について
「つりがね庵」(つりがねあん)は宮城県白石市の中心部(白石城城下/旧奥州街道付近)にある白石温麺(うーめん)専門店。茅葺屋根の建築は江戸時代から受け継がれてきた武家屋敷がそのルーツで、リノベーションを経て2025年にリニューアルオープン。その庭園は地元・白石の庭師「庭一/よっちゃんの庭工房」小畑栄智さんの作庭、建築を手掛けたのは若手建築家・大島頌太郎デザインスタジオ。
仙台藩主・伊達政宗の重臣だった片倉景綱が江戸時代初めに『白石城』に入城して以来、江戸時代を通じて片倉家により治められた仙台藩の支藩・白石藩。その名物/ローカルフードとして知られるのが「白石うーめん」で、その歴史も古く、江戸時代初期に鈴木味右衛門という人物により考案されたと伝わります。
この「つりがね庵」を運営するのは明治時代に創業し約130年の歴史を持つ老舗「きちみ製麺」。その創業家・吉見家は江戸時代には白石藩主・片倉家に代々仕えた武家で、現在のきちみ製麺のロゴも片倉家の旗印だった釣鐘の使用を許可されたことがそのルーツで、「つりがね庵」の名もそこから来ているとか。
そんなきちみ製麺さんが、吉見家が代々受け継いだ武家屋敷を活用する形で2014年に開店した白石温麺専門店が「光庵」。そして2025年に、その茅葺屋根の武家屋敷の面影は残しつつ、現代の建築家によってリノベーション。若手建築家・大島頌太郎さんにより現代風のアプローチと内装の改修が手がけられました。
その白いストライプが特徴的なアプローチが非常にモダンなのだけど、そのモチーフは温麺の製造過程で「干され、乾燥させる」姿なのだとか…!内装も元々の梁などを活かしつつも和モダンにリニューアル。
そしてそのアプローチと並ぶ形で、苔むした姿が美しいお庭が広がります。苔むした中に、一つ一つ大きな庭石が横たわるように配され、そして中央に二本のモミジが植栽。“京風”を感じさせるこのお庭を手がけたのは、白石市を拠点に東北など各地で庭園作庭を手がけている「庭一/よっちゃんの庭工房」小畑栄智さん。庭園専門誌『庭NIWA』にも度々登場している庭師さんで、今回知ったのも小畑さんや「庭連」の投稿がきっかけでした。
この苔庭、表から眺めても、室内から眺めてもきれいなのですが…気に入っている視点はアプローチのワイヤー越しの姿。桟のある窓越しとはまた全く違う、まさに「新感覚」なお庭の眺め。まだこの様な見せ方・手法があるんだな〜!アプローチにベンチが置かれているのは「待ち時間が生まれる程の人気店」だからでもあるけれど、この眺めを楽しんで欲しい…という意図もあるのでしょう。
隣接する製麺所の打ち立ての麺はもちろん絶品…!この夏、あっさりしたそーめん/うーめんが食べたくなったらぜひ訪れてみて。
(2026年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR東北本線 白石駅より徒歩10分
JR東北新幹線 白石蔵王駅より徒歩20分弱
JR白石蔵王駅より路線バス「田町」バス停下車 徒歩2分
〒989-0275 宮城県白石市本町46 MAP
投稿者プロフィール

- Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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