手錢美術館

Tezen Museum Garden, Izumo, Shimane

美しい出雲流の枯山水庭園も見どころ!出雲大社から程近く、門前街に江戸時代から残る旧家がコレクションした日本美術/伝統工芸品が堪能できる“蔵の美術館”。

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手錢美術館(手錢記念館)について

「手錢美術館」(てぜんびじゅつかん)は出雲大社の門前街の一角、“勢溜の大鳥居”や“松の参道”から徒歩10分ほどの場所にある私立美術館(2022年に『手錢記念館』から改称)。江戸時代から残る蔵が展示室として活用された通称“藏の美術館”、旧家に作庭された出雲流の枯山水庭園も残ります。
2022年5月に初めて訪れた際の写真を紹介。

国譲り神話/国引き神話に登場する“稲佐の浜”から出雲大社までを結ぶ“神迎の道”。その道沿いに現れる重厚な蔵と土塀が「手錢美術館」。

手錢家の歴史について。江戸時代初期の1686年(貞享3年)に出雲の郊外から出雲大社の門前街(大社町)へと移り住み、穀物商/造り酒屋/木材・木綿商などの商売で成功。二代目の代に町のために海岸に防風のための植林を行うなどの事業によって松江藩の信頼を獲得、藩の御用商人となり時にはその屋敷は藩主の宿(本陣)としても用いられるようになったとか。

江戸時代初期から数えて11代約350年、藩主や要人、文化人との繋がりからコレクションされた美術工芸品を広く公開するために1993年(平成5年)に開館したのが「手錢記念館」。展示室の一部には江戸時代後期に建てられた酒蔵や米蔵が活用されており、屏風や書画や掛軸、刀剣に古文書、そして大名茶人・松平不昧公ゆかりの陶器:楽山焼と布志名焼、歴代小島漆壺齋の漆器など日本美術/美術工芸品が幅広く展示されています。

メインは美術館ですが、あわせて庭園“向澤園”を鑑賞することができます。素晴らしい庭園を残す旧家が点在する出雲地方、やはりこちらの庭園も美しい…!
一面に敷かれた砂地を主体として、その中に様々な石が組み合わされた飛び石〜園路が配された“出雲流庭園”。雨だったこの日は当地の“来待石”が美しさを放っていてすごくよかった。

ちなみに展示品は出雲ゆかりの作家だけでなく、2022年の企画展では雲谷等達、円山応挙、池大雅、酒井抱一…といった画家の作品も!出雲大社を訪れた方々…特に日本美術が中心という点では海外から来られる方々にもぜひ立ち寄ってほしい美術館!

(2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

一畑電車大社線 出雲大社前駅より徒歩15分
JR出雲市駅より路線バス「正門前(出雲大社)」バス停下車 徒歩8分
JR出雲市駅より約8km(駅にレンタサイクルあり)

〒699-0751 島根県出雲市大社町杵築西2450-1 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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