妙心寺 龍泉菴庭園

Myoshinji Ryosenan Temple Garden, Kyoto

KG+ 2026で特別公開された京都・妙心寺四本庵の最古の塔頭寺院…京都府指定有形文化財の伽藍から眺める枯山水庭園。【通常非公開】

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妙心寺 龍泉菴庭園について

【通常非公開/「京の冬の旅」や「KG+」で特別公開】
「龍泉菴」(りょうせんあん)は京都を代表する寺院のひとつ『妙心寺』山内にある塔頭寺院。“妙心寺四派”のうち“龍泉派”の本庵であり、四本庵の中でも最古の塔頭寺院…といった格式をほこります。江戸時代に建立(再建)された伽藍が京都府指定有形文化財となっているほか、本堂(方丈)庭園、書院東庭園といったお庭があります。

妙心寺の南総門を入ってすぐ、右手側に位置する「龍泉菴」さん。通常非公開ですが、京都の春の風物詩『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』の2026年の関連企画『KG+』では佐藤純『フランスのロマネスク美術写真展』の会場として公開(〜5月14日(木)まで)。2019年の『京の冬の旅』以来の一般公開?ということで、2026年のKYOTOGRAPHIEの中で最もレアな古建築の一つ…!

その歴史について。創建は室町時代の1481年(文明13年)、妙心寺10世住持・景川宗隆により創建。先述通りこのお寺は“妙心寺四派”のうち“龍泉派”の本庵にあたりますが、この四派が生まれたのは景川宗隆の先代にあたる雪江宗深が住持をつとめていた時代。山内では『大心院』『春光院』が龍泉派にあたります。

表門をくぐった時点で、その建築(庫裡や本堂)が他の塔頭寺院よりも一段階大きいな…といったふうに感じられます。庫裡の天井が望楼の様な天窓になっているのは同じく四本庵の『東海庵』と同じ。現在見られる建築は、表門・鐘楼(寛永年間/『大心院』から移築)/書院(元禄年間)が江戸時代初期、庫裡が江戸時代中期、本堂(方丈)が江戸時代後期の建築となっています。本堂の折り上げ格天井が格を感じさせます…!

KG+での公開範囲での庭園は大きく分けると、前庭(3〜5)/坪庭(6〜8)/書院東庭(9〜11)/本堂(方丈)南庭(13〜16)の4箇所。

主庭園となるのが本堂(方丈)に面した枯山水庭園。作庭年代などは不明ですが、本堂が再建された江戸時代末期(嘉永年間)に現在の姿になった——と考えるのが自然でしょうか。
手前に白砂が敷かれ、奥に苔地が広がり、その中に植栽や三尊石が配された枯山水庭園。築山をもうけない平庭というスタイルは北側に隣接する『衡梅院』のお庭とも似ています。

シンプルな庭園ではありますが——ちなみにで言うと、開祖・景川宗隆の師は世界遺産『龍安寺』を開いた義天玄詔(で、二人とも東海地方出身)。そのシンプルさが伝統や深みを感じさせます。そして植栽の間からは左手側には東山、右手側には西山(松尾山あたり)が見渡せるのも妙心寺山内でもこの庭園ならではの点!

建築年代でいえば、もう一つの主庭「書院東庭」はもっと古いかも。今回は非公開のエリア(茶室)へと至る茶庭風のお庭。

2026年のKG+の石造美術とマッチしているのが、上がってすぐの坪庭の中に配された少し変わったデザインの重厚な石灯籠——更に、今回の写真展と合わせて、『京の冬の旅』でも多くの方が鑑賞された日本画家・由里本出さんによる多くの障壁画が今回も合わせて公開。今回は展示がありませんが、所蔵する長谷川等伯『枯木猿猴図』は国指定重要文化財となっています。この貴重な空間でのKG+の展示、足を伸ばしてみて。

(2026年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR嵯峨野線 花園駅より徒歩7分
嵐電北野線 妙心寺駅より徒歩10分

〒616-8035 京都府京都市右京区花園妙心寺町 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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