
鎌倉幕府執権・北条氏により創建され、世界遺産の作庭家・夢窓疎石も住持をつとめた“鎌倉五山”第四位の名刹ではぐくまれた“雑木の庭”。国指定史跡。
浄智寺境内 / 浄智寺庭園について
「金宝山 浄智寺」(じょうちじ)は神奈川県鎌倉市にある臨済宗円覚寺派の寺院。鎌倉時代、鎌倉幕府執権の北条氏により創建され、幕府の定めた“鎌倉五山”の第四位という格式の高さをほこる寺院で、その境内が「浄智寺境内」の名で国指定文化財(国指定史跡)。現代の庭師により管理・育成された“雑木の庭”も。
JR北鎌倉駅を降りて徒歩10分弱。『円覚寺』、『建長寺』と臨済宗の大本山寺院が並ぶ通りにある寺院の一つで、冒頭の通り鎌倉五山の第四位と、鎌倉を代表する寺院の一つでもあります。
その歴史について。鎌倉時代中期、「元寇」の起こった1281年(弘安4年)の創建。鎌倉幕府の5代目執権・北条時頼の三男・北条宗政が29歳の若さで亡くなると、その菩提を弔うために宗政の夫人と兄・北条時宗により創建されました。
後に(室町時代に入った後)京都で『天龍寺』など世界遺産の名庭園を残す禅僧・夢窓疎石も鎌倉での修行時代にこの浄智寺で印可を受けたというゆかりの寺院。また北条に取って代わる足利氏から足利持氏もこの浄智寺に長く滞在したそう。
幕府が京都〜江戸に移って以降は寺院の規模も徐々に縮小、最盛期は11あったという塔頭寺院も少しずつ減り、大正時代の関東大震災で伽藍の大部分が倒壊していまいます。現在の境内で見られる建造物はそれ以降に再建されたものが中心ですが、その歴史的な境内が国指定史跡に。
また2007年に再建された「鐘楼門」におさめられた銅鐘や、本堂「雲華殿」に安置された御本尊「三世仏坐像」(いずれも室町時代初期作)が神奈川県指定有形文化財となっています。(その他に国指定重要文化財「木造地蔵坐像」を浄智寺が所有していますが、現在は鎌倉国宝館に所蔵)
庭園や境内について。建造物は再建されたものが中心…と書きましたが、参道〜苔むした石橋と石段、山門の佇まいはまさに“幽玄”。
そして、大正時代に建築された茅葺屋根の書院の前に庭園が広がります(拝観時の主なビューポイントは園路から書院側に向けて)。これがまた鎌倉の禅寺…という中では変わったタイプのお庭。先述の大本山『円覚寺』や『建長寺』の様な文化財となっている池泉庭園でもなければ、『明月院』や『長寿寺』の様な禅寺=枯山水でもない…苔の中に山野草や野花が咲く“文人好みの庭”。(※実際に浄智寺は映画監督・小津安二郎、日本画家・小倉遊亀ら昭和時代に文人墨客にも愛されたお寺)
この浄智寺庭園の管理を手掛けられているのは「文化財庭園保存技術者協議会」の副代表も務められている鎌倉の庭師・松中徹(松中造園)さん。「作庭」ではなく、長年の管理によって鎌倉の自然とともに育まれた庭園は《約40年の歳月に育まれた雑木の庭》として庭園専門誌『庭NIWA』の232号でも特集されています。書院の中からその庭園を眺めたらまた自然風の良い雰囲気なんだろうなあ…。
境内には竹林や鎌倉ならではの風景である「やぐら群」も!また、パンフレット的な役割も果たす境内マップは有料(20円)ですが鎌倉ボンズくんがかわいいのでぜひ入手を!
(2019年5月、2024年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
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