世界遺産の城下町・萩の人気古民家レストラン/庭園カフェでお食事しながら眺められる、昭和時代以前から残る石組が際立つ枯山水庭園。
ホトリテイ(畔亭)庭園について
「ホトリテイ」(畔亭)は世界遺産の城下町『萩』の一角にある古民家レストラン/カフェ。立派な石組のある枯山水庭園を眺めながら食事することができます。
幕末の志士や明治維新後に政府の要職を務めた人材を多数輩出し、2015年にユネスコ世界遺産『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』にも登録された萩の城下町。そんな歴史ある街には先人の旧宅/武家屋敷や町家に多数の庭園が残ります。萩出身の偉人のひとり、山縣有朋が東京『椿山荘』、京都『無鄰菴』など“山県三名園”を作り上げたバックグラウンドとして、萩の城下町では“庭園”が身近な存在だったことが影響している(のだと思う)。
同じく萩出身の偉人、『高杉晋作生家』や『木戸孝允旧宅』等のある一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区からは少し外れている一方で、『史跡萩城城下町』として国指定史跡となっている珍しい例。
で、この『ホトリテイ』は高杉晋作生家の斜め裏手にある「お屋敷カフェ」。同じブロックなのに文化財的には国指定史跡には含まれていないのですが、こちらにも歴史が感じられる素敵な庭園が残ります。
元は網元を営んでいた方の自邸だったという築70〜80年の和風邸宅。現・オーナー、吉井さんの奥さんのご実家だったこの建物を活用して、2002年に「庭園カフェ 畔亭」が開店。近年さらなるリノベーションによっておしゃれなカフェスペースなどが増え、名前も「ホトリテイ」へと変わりました。建物の中からお庭を眺めながらランチやカフェを楽しむことができます。
その庭園は、一面の白砂の中に飛び石が配され、三尊石のような石組が東側・南側と2ヶ所あり、そして南側には“面影山”を借景とした回遊式枯山水庭園(国重要文化財『菊屋家住宅』の新庭園と同じ借景)。庭園の歴史も邸宅と同じだとすると昭和時代中期の庭園ですが、一部苔むした姿や庭石の錆びた感じは更なる歴史も感じさせる…また“萩の古庭園は出雲流庭園っぽい”と感じる共通項はこの庭園にも所々ある。枯山水の中に配された飛び石や、その飛び石が高く打たれている点など…。
そして先述の「三尊石のような石組が東側・南側と2ヶ所ある」点は、L字型に並ぶ建物それぞれに対するアイキャッチにもなっていて、それぞれその前に礼拝石のような平たく大きな石が置かれている。実はもしかして庭園は古民家よりも早くこの地に存在していた…?季節の花々は写真の通り5月中旬以降はサツキのピンクの花が沢山花を咲かせ見頃を迎えます。
また、オーナー・吉井さんは萩の庭園の回遊企画『HAGIオープンガーデン』の代表者でもあります。HAGIオープンガーデンは2024年で終了となってしまいましたが、平成〜令和の萩の庭園文化にも寄与された方。この『ホトリテイ』は引き続き残るので、ぜひお食事利用をしつつ庭園散策を楽しんで。なお地元の方や旅行客ともに訪れる大変な人気店なので、訪れるなら予約がオススメ!萩を再訪する時はまた寄りたいお店。
(2021年7月、2024年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山陰本線 玉江駅より徒歩20分強
JR山陰本線 東萩駅より2.5km(徒歩30分)
JR山陰本線 萩駅より約3km
萩駅・東萩駅より路線バス(循環バス)「萩美術館・城下町入口」バス停下車 徒歩4分
※萩駅・東萩駅にレンタサイクルあり
〒758-0076 山口県萩市南片河町62 MAP