飛鳥京跡苑池

Asukakyo Garden Ruins, Asuka, Nara

日本最古の宮廷庭園候補。飛鳥時代の都“飛鳥京”の天武天皇の宮跡で発掘中の飛鳥時代の庭園遺跡。国指定名勝。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

飛鳥京跡苑池について

【不定期で特別見学会あり】
「飛鳥京跡苑池」(あすかきょうあとえんち)は飛鳥時代の都『飛鳥京』の跡から発掘された庭園の遺構で、国指定名勝&国指定史跡。
普段は「飛鳥京跡苑池休憩舎」から遠目で眺める形になりますが、不定期で年に1回程度、間近で見られる見学会(説明会)があります。

世界遺産“古都奈良の文化財”――には含まれていない明日香村の飛鳥京跡の一帯ですが、特別史跡・石舞台古墳、高松塚古墳をはじめ、飛鳥宮跡(伝飛鳥板蓋宮跡)、飛鳥寺跡、飛鳥水落遺跡、川原寺跡、酒船石…と歴史を満喫できる史跡・遺跡が数多くあります。

その中で唯一庭園として国指定名勝となっているのが「飛鳥京跡苑池」。藤原京~平城京へと移転される前、天武天皇持統天皇が営んだ飛鳥最後の京『飛鳥浄御原宮』の北西部分で1999年(平成10年)に発掘されたもので、斉明天皇~天武天皇の時代、600年代中盤~後半にかけて作庭・整備され、平安~鎌倉時代以降の約1000年に渡り土の中で眠っていた…と推定されています。

現段階では頭にイメージするような“庭園”の姿が見られるわけではなく、現在も絶賛発掘作業中。時折開催される見学会・説明会では庭園の池の形状や石組を説明を受けながら見ることができます。その機会を狙って2021年12月に初めて訪れました!

その庭園は南池・北池の二つの池泉から構成され、規模は東西南北60メートル、深さは1.5~2メートルとなかなか深く大きい。池底に敷き詰められた石や石積による護岸石が発掘されてきています。

長い間埋まっていた割に?池中では水が湧いてる場所がありポンプで隣の飛鳥川へ排水していたのが印象的だったんだけど、その湧水・井戸が古代からあるのか、この庭園には“噴水用”と推測される石造物も。

庭園…というより“遺跡”とか“土木技術の根源的な所”となるとまたちょっと興味分野が異なるので、その詳細や全貌は橿原考古学研究所の資料を見ていただくのが良い!のですが。
なんか、奈良時代の平城京の2つの庭園『平城宮跡東院庭園』『平城京左京三条二坊宮跡庭園』とも全然違うことにけっこう驚く。

今後も発掘調査は続く。いつか1,400年前の宮廷庭園が再現される日を心待ちにしたい!

(2021年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

近鉄南大阪線・近鉄橿原線 橿原神宮前駅より約3km/近鉄吉野線 飛鳥駅より約3km(いずれも駅前にレンタサイクルあり)
橿原神宮前駅・飛鳥駅より路線バス「岡戎前」バス停下車 徒歩5分

〒634-0111 奈良県高市郡明日香村岡101-53 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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