葵 南禅寺別邸 看月亭庭園

Aoi Nanzenji-Bettei Kangetsu-tei Garden, Kyoto

“南禅寺界隈別荘”として建てられた近代和風建築の一棟貸し宿…目の前に東山の借景をのぞむ庭園は近代京都の名庭師・七代目小川治兵衛(植治)作庭。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

葵 南禅寺別邸 看月亭・閑雲庵について

【宿泊者・ブライダル利用者向け】
「葵 南禅寺別邸」(あおい なんぜんじべってい)は京都市の代表的な観光地の一つ『哲学の道』沿いにある数寄屋風建築の一棟貸し宿。『看月亭』『閑雲庵』の2棟があり、うち『看月亭』の庭園は近代京都の名作庭家・七代目小川治兵衛(植治)の作庭と伝わります。

通常は宿泊者や各種イベント(ブライダル/パーティー/お茶会など)の利用者向けのこの施設。
2024年10月12日(土)にこの施設も会場の一つとなる『神事×芸術《中庸祭》』が開催されます(主催:TOMO ART WORK STUDIO)。通常非公開の寺院・庭園を舞台に、絵画鑑賞、パフォーマンス、お食事などを通じ、多角的な視点を持つことで中庸の「徳」を学ぶイベント。

>>イベント公式サイトはこちら(TOMO ART WORK STUDIO)

京都を代表する禅寺からなる“京都五山”の別格、『南禅寺』。その境外塔頭で、「南禅寺禅センター」としても知られる『光雲寺』(※通常非公開)。その境内にあった和風建築を活用する形で、2017年秋にオープンしたのが「葵ホテル&リゾート」の運営する「葵 南禅寺別邸」。

築130年とも言われる数寄屋風建築をリノベーションした『看月亭』と、『京都迎賓館』『ザ・リッツカールトン京都』等を手掛けた建築家・佐藤義信(KUU・KAN設計室)さんの設計で生まれ変わった現代和風建築『閑雲庵』の2棟からなり、いずれの命名は現在の南禅寺管長・田中寛洲老師によるもので、東山を借景としたこの場所・庭園から見る夜の月や星が実に見事という意味が“看月亭”という名に込められています。

より歴史のある看月亭の方は、元の船底天井や下地窓の伝統的な意匠はそのままに、キッチン等の水回りや各種インテリアが和モダンにリノベーション。またオーナーこだわりの陶器/骨董美術品が空間を彩っています。(※当ページで掲載している写真は庭園と外観の写真のみなので、室内の写真は施設公式サイトよりご確認ください。)

そして看月亭のお座敷の前には、名庭師・七代目小川治兵衛(植治)作庭の池泉回遊式庭園が広がります。
オープンに際して、七代目小川治兵衛に関する著書も出されている現代の日本庭園の巨匠・尼崎博正先生の指導により修復されたこの庭園。鯉が悠々と泳ぐ池泉の向こう側、もう眼の前に東山の借景が広がり、この近い山に連なるように庭園東部はモミジや杉によって山の景が作り出され、その中に水の流れ落ちる滝石組がのぞきます。二方へと分かれていく水の“流れ”も美しい。春には桜越しの東山(&哲学の道の桜並木)も望めます!

京都市の文化財にも指定されている『光雲寺庭園』とはまさに隣り合わせのこの庭園。歴史をさかのぼると、(現在は光雲寺境内ですが、)造営された際は別の敷地。なので成り立ちとしては「一体化した庭園」ではなくそれぞれ独立した庭園なのですが、他の南禅寺界隈別荘群の庭園と同様に「琵琶湖疏水」の水を共有する関係性。

対して『閑雲庵』の庭園は現代に新たに作庭されたものですが、こちらも白砂と苔の曲線の美しい枯山水庭園。こちらも桜と紅葉に囲まれ、庭園にせり出したウッドデッキから秋には絶景が味わえるはず!

京都には数多く古民家宿、一棟貸し宿、庭園が素敵な宿がありますが、こんなに東山の風景が目の前で開放的なお庭はなかなか無いのでは――まさに「京都の別荘」。宿泊やイベントを期にぜひ利用してみて。

(2024年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄東西線 蹴上駅より徒歩20分弱
最寄りバス停は「宮ノ前町」バス停 徒歩4分

〒606-8446 京都府京都市左京区南禅寺北ノ坊町10番地 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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