
東京・港区の隠れた“市中の山居”…明治時代に設立された日本のアートシーンを支える美術商組織の本拠の茶室と日本庭園。岩城造園作庭。【通常非公開】
東京美術倶楽部 茶室「済美庵」庭園について
【通常非公開/イベントやお茶会で利用可】
「東京美術倶楽部」(とうきょうびじゅつくらぶ)は明治時代に設立され、今日まで約120年間の歴史を持つ日本の美術商による組織・団体。東京タワーからも程近い、東京・御成門にある本部「東京美術倶楽部ビルディング」には茶室「済美庵」(せいびあん)と日本庭園があります。庭園の作庭は昭和の東京を代表する作庭家・岩城亘太郎の興した岩城造園(現・株式会社岩城)作庭。
茶室・庭園は通常非公開ですが、展覧会/イベントなどの際にお茶会が開催され一般の方が利用できる機会も。2026年の5月に開催された「工+藝」2026“KO+GEI 2026”(koplusgei2026)のお呈茶会に参加、その際の様子を紹介。(なお、《現代工芸界を牽引する招待作家7名と、世界から注目を集める新進気鋭の推薦作家50名》が参加したこの展覧会、「おにわさん」もいつも教室『大人の寺子屋 余白』でお世話になっているアーティスト:ミヤケマイさんも出展されていました。)
その歴史について。1907年(明治40年)に設立された東京美術倶楽部(東美)。現在所属する美術商の中には《江戸時代から代々続く美術商》も含まれる、日本美術シーンにおける重要な組織の一つです。
当初は両国の料亭が拠点だった東美、1923年の関東大震災を契機に新橋~浜松町の中間点の現在地へと移転。当初は『国立東京博物館』の様なコンクリート造りの和風建築で、昭和の戦中には海軍監督官事務所としても利用されましたが、平成年代にリニューアルされ現在の社屋は1991年(平成3年)の竣工。
現代的なビルの2階に茶室「済美庵」と計100畳以上ある和の大広間、そして2階屋上部に作られた日本庭園があります――それがまた東京のド真ん中の大都会・港区のビルの中とは思えない美しい庭園…!
ビルの中にありながら、緩やかな斜面の奥から水が流れ落ち、庭の中を流れる池泉式庭園(※今回参加した呈茶会ではお庭に出られませんでしたが、お茶会によっては出られる作り)。ツツジ、モミジ、サクラと言った日本庭園らしい植栽に、京都のお茶室でも好まれる黒みを帯びた石による直線の石畳(延段)、美術家も好みそうな灯籠や伽藍石風の手水鉢…と限られたスペースの中に見所・要素がギュッと凝縮された空間。
作庭は昭和の東京を代表する作庭家・岩城亘太郎の興した岩城造園。なお岩城さんの「ビル内の日本庭園」としては東京・水天宮の『ロイヤルパークホテル日本庭園』といった事例もあります。
まさに東京・港区の隠れた「市中の山居」――今回の呈茶会では「工+藝」展に出店された作家さんの作品でお茶をただけた上、床の間に掛かっているのは土屋順紀さん、水指は十三代 三輪休雪さんの作品――とまさに現在の日本の工芸を体感できる素敵な時間。ぜひ今後のイベントをチェックしてみて。
(2026年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
都営三田線 御成門駅より徒歩4分
JR山手線・京浜東北線 新橋駅、浜松町駅より徒歩10分
都営大江戸線 大門駅より徒歩6分
東京メトロ 神谷町駅や新橋駅からも徒歩10分強
〒105-0004 東京都港区新橋6丁目19-15 MAP
投稿者プロフィール

- Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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