タカ・イシイギャラリー 京都

Taka Ishii Gallery Kyoto (Yada-cho) Garden, Kyoto

2023年、国際的な現代美術ギャラリーが築150年の伝統的な京町家に開廊。その坪庭は新たに京都『南禅寺』御用達庭師・植彌加藤造園が作庭(改修)。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

タカ・イシイギャラリー 京都について

【展覧会の時期のみ公開】
「タカ・イシイギャラリー 京都」(たか・いしいぎゃらりーきょうと)は京都・四条烏丸からも程近くにある築150年の京町家を活用したアートギャラリー。2023年4月にオープン。その中庭/坪庭の改修は京都『南禅寺』御用達の庭師・植彌加藤造園により手掛けられています。

東京都の名園『清澄庭園』の程近くにかつて存在した「清澄アートコンプレックス」。日本を代表する現代美術ギャラリー群が集った丸八倉庫ビル――そのうちのギャラリーの一つが「タカ・イシイギャラリー」。現在は都内の別の場所(六本木/寺田倉庫)へ移られていますが、清澄庭園とアートコンプレックスを合わせて足を運んでいた庭園&美術ファンはきっと多かったはず――。

そんなタカ・イシイギャラリーが2023年春、京都に開廊。かつて京都の別の場所に開かれていた時期もありましたが(そちらにも足を運んだことが…!)、今回は京都の中心繁華街・四条烏丸の交差点からも程近く、祇園祭では山鉾「伯牙山」の会所となる国指定重要文化財『杉本家住宅/杉本氏庭園』のお向かいの京町家を活用する形でオープン!

そしてその町家の姿も、白い壁のいわゆる「ホワイトキューブ」的な空間へリノベーションはされておらず、今回のオープンにあたって150年で増改築された部分を撤去し「150年前の姿に復元」されました。(台所/おくどさん/たんすなど生活感のあるパーツは撤去されているので、正に生まれたままの姿)
建築を手掛けたのは竹内誠一郎建築研究所/株式会社熊倉工務店、そして新規建具製作、既存建具調整・改修、襖・障子の和紙の貼り替え等は茨木市の大正時代創業・塩田木材工業さん。

“うなぎの寝床”の細長い町家の坪庭も今回新たに改修されました。手がけられたのは京都を代表する禅寺『南禅寺』等の御用達庭師として知られる植彌加藤造園さん。既存の庭石を活かしながらリデザイン、光沢のある新しい手水鉢/蹲踞が目を惹き、そのギャップが“伝統”だけではないモダンさを醸します。

網代天井を見ながら町家の奥へと進むと土蔵があり(こちらも展示空間)、その前にはコンクリートの仕上げの中に直線的な延段のある空間が。障子の白色とともにアートギャラリーらしい“ホワイトキューブ”的な空間&京都の銘石・真黒石の延段の組み合わせが(唯一現代的な雰囲気の)和モダンな空間に。

またエントランスにも今回新たにしつらえられた、鞍馬石を三石組み合わせたオブジェ/テーブルが鎮座し、アートギャラリーとしてのモダンさに誘ってくれます。アートファンのみならず京都の方も展覧会開催の際にはぜひ訪れてみて。

(2024年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 四条駅より徒歩5分
阪急京都線 烏丸駅より徒歩5分
バス利用の場合も「四条烏丸」バス停が便利

〒600-8442 京都府京都市下京区矢田町123 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
PICK UP / COLUMN
最新の庭園情報は約10万人がフォローする
【おにわさん】のSNSから。