
名古屋最大級の本格的日本庭園…造園家・吉村元男/京都の庭師・川崎幸次郎らの作庭、京都の和風建築の巨匠・中村昌生の代表作の一つ“清羽亭”も。
白鳥庭園について
「白鳥庭園」(しろとりていえん)は愛知県名古屋市にある“東海地方最大級規模”の日本庭園。1991年(平成3年)開園。御嶽山、木曽川など中部・東海地方の景色を表現した池泉回遊式庭園で、現代の造園家・吉村元男が設計、京都の庭師・川崎幸次郎(松下幸之助の御用庭師)らにより作庭。また園内中央の茶室「清羽亭」等の和風建築/茶室は京都の数寄屋建築の巨匠・中村昌生の設計。
2025年、久々に訪れたので写真を更新して改めて紹介。
名古屋市の南部にある白鳥庭園。こちらの庭園は新しいものの、近隣には伊勢神宮と並ぶ東海地方を代表する神社『熱田神宮』や旧東海道の“七里の渡し”の熱田湊跡などの歴史スポットが点在するエリア。
この日本庭園の造園のきっかけとなったのは1989年(平成元年)に開催された『世界デザイン博覧会』。博覧会の作品の一つとして造園、大阪の『万博記念公園 日本庭園』と似た歴史をたどります。
約1万1千坪の広さは“東海地方最大規模の日本庭園”(※「最も大きい庭園」と言う括りだとガーデンパーク系でもっと広い所が…という所で)。その中心に広がる大きな池は“伊勢湾”、園内中央〜後述の和風建築「清羽亭」の脇を流れる川は“木曽川/長良川/揖斐川”、園内南部の標高が高く山深いエリアが“御嶽山”と、東海・中部地方の地形や名所・風景を表現した庭園。御嶽山の中の滝から伊勢湾へと流れ込む、東海地方の“水の物語”がテーマ。
かつて江戸時代の大名や文人が庭園の中の景(ビューポイント)を定めた様に白鳥庭園も“白鳥八景”が選ばれています。(滝の景/渓谷の景/水郷の景/海洋の景/汐入の景/宮の渡しの景/里の景/清羽亭の景)。先述の御嶽山(の滝や渓谷)、木曽川(の水郷)、伊勢湾(の海洋・宮の渡し)以外で。
「汐入の景」(汐入の庭)は、メインの池泉から大きな橋を挟んだ逆側にある、現代風の造形の庭園(9-10枚目)。またその造形は木曽川の名所『寝覚の床』を表現しているとも。その一角の和風建築「汐入亭」ではお抹茶/お菓子をいただきながら休息できます。
そしてメインの池泉に浮かぶ和風建築が『清羽亭』。京都の茶室研究の大家・中村昌生の設計で、かつ日本芸術院賞の受賞作品ともなった氏の代表作の一つ。渡り廊下を通して、池の南側とその対岸に配されたその和風建築は庭園の名にちなんで“白鳥舞い降りる姿をイメージ”されているとか。あくまで伝統的な和風建築の枠組みで、庭園と一体でオリジナリティを表現した“優雅”な名建築。
清羽亭の表玄関の脇から腰掛待合〜外露地〜内露地〜茶室「澄蘆」までは(茶会等がない際は)歩くことができます。が、スリリングな沢渡の飛び石を通じてゆく茶室「汲江軒」を体感できるのは茶会参加者のみ…。
かつて秋に訪れた時はドウダンツツジの刈り込みが一斉に紅葉する姿が印象的でしたが、ドウダンツツジとイロハモミジは合わせて1,500本も植栽されているという名古屋の紅葉の名所!また晩秋からの雪吊りの姿も写真映えします。名古屋で文化財として価値が高い庭園は『名古屋城二之丸庭園』ですが、日本庭園の魅力がわかりやすく体感するならこちら…?今後より東海地方の方に愛されて欲しいお庭!
(2017年12月、2025年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
名古屋市地下鉄名城線 熱田神宮西駅より徒歩9分
JR東海道本線 熱田駅/名鉄名古屋本線 神宮前駅より徒歩20分
〒456-0036 愛知県名古屋市熱田区熱田西町2-5 MAP
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