住友家のコレクションを所蔵する美術館前に11代目小川治兵衞(小川雅史)が作庭した“流れ”のある回遊式庭園。
泉屋博古の庭・泉屋博古館について
「泉屋博古館」(せんおくはくこかん)は日本の三大財閥・住友財閥の住友家の美術コレクションを所蔵・展示している美術館(博物館)。その前庭として作庭された「泉屋博古の庭」の作庭を手掛けたのは11代目小川治兵衞(小川雅史)氏。ちなみに「泉屋」というのは江戸時代の住友家の屋号。
泉屋博古館の開館は昭和の中ごろ。国宝を含む多くの国重要文化財の絵画・美術品を所蔵していますが、中でも美術館の目玉となっているのは住友家15代当主・住友友純(住友春翠)がコレクションした中国古代青銅器。「博古」という言葉も中国の青銅器図録がルーツになっています。
収蔵品についてもポイントは沢山ありますが長くなりそうなので省略…現在も収蔵品の増加によって、2002年には東京・六本木一丁目の泉ガーデンタワーの裏に分館をオープン。スウェーデン大使館の向かい…そういえばあったなあ。ていうか泉ガーデンタワーの泉ってそこに由来があったんか…。
住友財閥、住友グループの礎を築いた別子銅山のある愛媛県・別子山の檜が並ぶ庭園で、別名「檜林庭園」。檜林の中に、山縣有朋・小川治兵衛でお馴染みの“流れ”的な小川があります。住友の屋号「泉屋」をあらわす井桁と泉をイメージした庭園。また遊歩道にはかつて京都に走っていた路面電車の敷石が用いられれいるのだそう!
※ちなみに別子銅山を管理運営していた住友財閥の初代総理人・広瀬宰平の旧宅『広瀬氏庭園』の紹介はこちら。
そして泉屋博古館の向かいには、住友家15代目・住友友純の別邸として大正時代建てられた『住友有芳園』があります。こちらの中には他の南禅寺界隈別荘と同じく七代目小川治兵衛が手掛けた池泉式庭園があるそうですが――非公開。稀に京都ローカルで見学会などが行われてるようですが、その際も撮影禁止らしくあまり写真も出回っていない印象。いつか見てみたいなあ。
(2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)