香川県庁舎庭園

Kagawa Prefectural Government Office Garden, Takamatsu, Kagawa

巨匠・丹下健三の初期の代表作と言われるモダニズム建築、2021年に国指定重要文化財に。日本庭園“南庭”は丹下研究室のデザイン・作庭。

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香川県庁舎庭園について

「香川県庁舎」(かがわけんちょうしゃ)の東館は建築家・丹下健三の初期の代表作と言われるで、2021年11月にに答申。その建物の足元に広がる近現代風な日本庭園“南庭”の作庭(デザイン)も丹下研究室によるもの。

2013年の瀬戸内国際芸術祭の時についでに初めて観に行って――2019年夏、再び瀬戸芸のついでに香川県庁舎へ――そしたら丁度免震工事によってこの庭園の姿が見えなくなっていた…!
“建物は残されても庭園が消失”となってしまわないか心配していたけど、無事残されました。2021年年始に再訪した時の写真を更新。

1958年に完成した香川県庁舎東館は“DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築”にも最初の20件に選定された、日本の近代建築を代表する建築の一つ。建設省(国土交通省)の公共建築百選にも選定。
詳しい解説はできないので省略するけれど、その後流行る“コンクリート打ちっぱなし”の公共・庁舎建築の走りでもあり、その直線的なベランダの連なるファザードが日本の伝統的木造建築のデザインを取り入れられている――という点が特に優れていると言われます。

そして“南庭”は地元で産出される庵治石の巨石を用いた庭園。同じく丹下健三建築の『旧香川県立体育館』の石庭と石積みが似ていて――体育館の庭園を手掛けた石彫家・さん(イサム・ノグチの晩年の共同制作者)が関わっているのかな…と思ったけど、ビジネス香川の記事を読むと時系列的にそれはない(関わっていない)か。
なお、現在の本館の前にも(おそらく同じく地元の)立石を配した池泉があり、その配石はきっと元の庭園との関係性があるはず(たぶん)。

【追記】 建築家・林幸稔さんより「庭園の設計は丹下研究室(当時)の現場担当者だった神谷宏治さんの作庭」と教えていただきました。詳しくは《丹下健三生誕100周年プロジェクト神谷宏治・藤森照信・林幸稔講演会「建築のみらい」》より。
昭和を代表する庭園研究家・も『香川県庁舎庭園』として自らの著書で絶賛。

1階ロビーには地元香川県出身の画家・猪熊弦一郎(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館“MIMOCA”も複数回訪れてます)による壁画“和敬清寂”もあり、更には当時の代表的なインテリアデザイナー・剣持勇が内装に携わっていました。香川県もこの建築の保存・活用にはだいぶ前向きであり、館内のガイドツアー等も行われています。次回は参加したい!

(2013年11月、2019年8月、2021年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

琴電琴平線 瓦町駅より徒歩13分
JR高松駅より徒歩20分弱
高松駅より路線バス「県庁・日赤前」バス停下車 徒歩3分

〒760-8570 香川県高松市番町4丁目1-10 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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