
江戸幕府老中で佐倉藩主・堀田正睦が蘭医・佐藤泰然を招き幕末に創設された医学塾は現在の“順天堂大学”のルーツ。千葉県指定史跡。
佐倉順天堂記念館について
「佐倉順天堂記念館」(さくらじゅんてんどうきねんかん)は現在の『順天堂大学』のルーツで、幕末に城下町・佐倉に開かれた蘭学塾&診療所『順天堂』に関する記念館。「旧佐倉順天堂」として千葉県指定史跡。
国指定名勝&国指定重要文化財の『旧堀田邸(旧堀田正倫庭園・さくら庭園)』から徒歩10分ほど。庭園としてはあまり特色はないけれど、旧堀田邸と共通券もあるので紹介。
現代において複数の大学附属病院を有する順天堂大学。その歴史は江戸時代末期の1843年(天保14年)に佐倉藩主で江戸幕府の老中でもあった堀田正睦が蘭方医・佐藤泰然を招きオランダ医学塾を開いたことにはじまります。(佐藤泰然はその数年前の1838年に江戸にも医学塾を開学し、それを佐倉に移転)
当時としては最高水準の治療や外科手術を実践しながら学ぶことができた佐倉順天堂。佐藤泰然の引退後に後を継いだ佐藤尚中は明治時代に新政府から現・東京大学医学部の責任者として招かれ、後に順天堂大学を開業。一方で佐藤舜海が三代目として佐倉順天堂を引き継ぎ、現在も記念館に隣接して「佐倉順天堂医院」が残ります。
当時は多くの弟子が出入りした佐倉順天堂。現在残るのはその一部で、記念館として公開されている和風建築は1858年(安政5年)の建築(と、その後増築されたもの)。記念館内では順天堂に関する各種資料や昔の医療器具が展示。
そしてお座敷からはサツキやツツジの刈込のある芝生の庭園が眺められます。その中には順天堂の佐藤泰然の銅像と、佐藤尚中・佐藤舜海の像も。
また記念館の南側にある「本町街区公園」までがかつて佐倉順天堂の敷地だったとか。その公園内には『旧堀田邸』の堀田正倫の筆による佐藤泰然・佐藤舜海の顕彰碑があるそうなので気になった方はぜひチェックしてみて。
(2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京成本線 佐倉駅より徒歩20分
JR成田線 佐倉駅より徒歩30分
*いずれも駅付近にレンタサイクルあり
JR佐倉駅・京成佐倉駅より路線バス「順天堂病院」バス停下車すぐ
〒285-0037 千葉県佐倉市本町81 MAP
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