東山を背後に佇む“京都で一番巨大な観音様”。その脇にある名もなき庭園の遺構…これってもしかして七代目小川治兵衛(植治)の“霊山”…?
霊山観音庭園について
「霊山観音」(りょうぜんかんのん)は京都・東山を背後にたたずむ“京都一大きい観音様”。京都東山を代表する寺院『高台寺』に隣接。大きな観音像の脇に日本庭園(の遺構)があります。
京都を代表する観光エリア・ねねの道〜二寧坂界隈にありながら、庭園は無いと思って拝観したことなかった霊山観音。2023年1月に高台寺界隈で開催された『京都東山福めぐり』で初めて拝観!そしたら気になる池泉庭園の遺構があったので紹介…。
霊山観音の歴史は1955年(昭和30年)、第二次世界大戦の戦没者・犠牲者の慰霊/冥福を祈るために実業家・石川博資(現・帝産グループの創立者)により建立されました。高さ24メートルの白衣観音像の下の本堂には十一面観音、観音像の胎内に十二支守本尊が安置されています。ステンドグラスが素敵な「メモリアルホール」も。
そんな観音像の前には観音像を写すための“鏡池”がありますが、ここではそこに触れたいのではなく…観音様向かって左手にある池泉庭園(現在は枯池)。これについては特にパンフレットで「庭園」とか書かれているわけではないのだけど…。
近代の京都を代表する庭師・七代目小川治兵衛(植治)に関する本を読むと、昭和初期に『霊山』という作庭歴があったりする。「霊山」だけだとこの一帯の地名なので、どこの事なのかな…と思っていたのだけれど…でも書き方が「霊山の某所」というよりは「霊山」というプロジェクトとして書かれている感じで。
で、建立年代が違うから霊山≠霊山観音と思っていたけれど。もしかしたらこの庭園がそれ…?護岸石に植治が好んだ(白くて模様のある)“守山石”が印象的な感じに使われているし。石組は植栽で隠れてしまっているのでちょっとわからないけれど。「近代京都オーバーレイマップ」で見ると、霊山観音が建つ前のこの場所には別の寺院があったみたいなんだよな…。
現状は想像に過ぎないですが、詳しい人に見てもらいたいので小川治兵衛タグを関連づけておきます。ぜひチェックしてみて。
(2023年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京阪本線 祇園四条駅より徒歩15分
阪急京都線 京都河原町駅より徒歩20分
最寄りバス停は「東山安井」バス停 徒歩7分
〒605-0825 京都府京都市東山区下河原町526-2 MAP