こんな立派な日本庭園のあるゲストハウス、他に無い?昭和の古民家に作庭された、庭石が見所の庭園“玄妙園”。
岡山ゲストハウスいぐさ庭園“玄妙園”について
「岡山ゲストハウスいぐさ」は畳(畳表)に用いられるイグサ(い草)の生産で栄えた岡山県早島町の古民家(民宿)を改装したゲストハウス。主屋の前には“玄妙園”という石碑の残る池泉回遊式庭園が残ります。
2021年春に初めて“岡山県で最小の市町村”早島町へ。岡山から高松へと向かう快速マリンライナーの停車駅でもある(ので、かなりの数通り過ぎてはいた…)。先に紹介した『いかしの舎』もとてもリアクションが良かったですが、この町を知ったきっかけはこの庭園のあるゲストハウス。前から気になっていたんだけど、2021年4月に初めて宿泊!
古くから“こんぴらさん”へと至る金毘羅街道の交通の要衝として、また中世には戦国大名・宇喜多秀家による児島半島(吉備児島)の干拓事業の起点地となり、江戸時代には徳川将軍家に直接仕えた旗本・戸川家の領地として治められました。町内中心部には陣家跡や元家老の邸宅、戸川家記念館なども。
干拓された新田で多く栽培・生産されたのがい草や畳表。江戸時代には近江八幡の豪商・西川家が店をかまえ、大坂や江戸にも流通。明治時代に入るとアメリカをはじめ海外への輸出も盛んに。
ただ昭和の終わりに近づくにつれ需要が減退し、現在の栽培農家はゼロ。岡山市・倉敷市と隣接していて両市のベッドタウン的な性質が強いんだそう。
2014年に開店したゲストハウスいぐささん。築200年の茅葺の古民家からはじまり(その茅葺の古民家も現在は一棟貸し宿として引き続き活用)、かつて民宿として利用されていた(けど長年空き家になっていた)現在の建物に移ったのは2017年。現在ではかつてのこの町の主産業・い草栽培やワークショップのプランも。
建物や庭園は昭和年代に徐々に作り上げられていったものだそうですが、蔵造りの主屋は更に歴史を感じさせる。そして日本庭園はとにかく庭石が立派!沓脱石とかに使われている、鞍馬石みたいな赤みがかった巨石、何石なんだろ。『兼六園』を模したように池に掛かる徽軫灯籠からは作者(オーナー)の庭園への愛情が感じられる。こんな立派な回遊式庭園のあるゲストハウスは他に無いんじゃないか…。
朝食の「岡山名物高級食材黄ニラを漬け込んだ醤油で食べる、卵かけご飯。」も良かった。ゲストハウスのようにスペースを共有する場は利用しづらいこの昨今ではあるけど、やっぱ好きだ。また泊まりたいなあ。
(2021年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)