明治時代の京町家にボタニカルアレンジメンツ《TSUBAKI》の手掛けた斬新なデザインの坪庭/奥庭も印象的!京都の名店《小川珈琲》の新たな旗艦店。
小川珈琲 堺町錦店“OYAMA”“飼葉桶”について
「小川珈琲」(おがわこーひー)は1952年(昭和27年)創業した京都の人気コーヒー店。「小川珈琲 堺町錦店」(さかいまちにしきてん)は京都の中心部、錦市場のすぐそばに2022年に開店した新店舗/旗艦店。築100年超の京町家がリノベーションされた空間で、そのお庭は《BOTANICAL ARRANGEMENTS TSUBAKI》により手掛けられています。
関東にも店舗展開され、イノダコーヒー/前田珈琲とともに全国的にも有名な京都の珈琲店の一つ《小川珈琲》。「社員全員が珈琲職人であれ」を創業以来のスローガンとして掲げる小川珈琲さんが創業70年を迎えた2022年に開店したこの新店舗は、“100年先も続く店”をコンセプトとしてコーヒーを通じた社会貢献をめざしたフラッグシップストア。2023年になってから何度も訪れているお気に入りの空間です。
“京都の珈琲職人”により選び抜かれた“エシカルなコーヒー”を、バリスタによりネルドリップで淹れていただいた一杯をいただけるこの店舗。
コーヒーだけでなくその空間も明治時代に建築された京町家を改装したこだわりの空間。デザインを手掛けたのはクリエイティブディレクター・南貴之さんとインテリアデザイナー・佐々木一也(SAMLLCLONE)さん。店内奥の「離れ」にはハンス・J・ウェグナーデザインの名作チェア「CH24」(Yチェア)が用いられるなど、京町家の木の温もりを(和という文脈に拘らず)広げるモダンなデザインが素敵。
《伝統と革新》の精神はお庭にも。岩の中から生まれ育つよう植栽された苔や樹木が印象的な、2つ並んで鎮座する自然石を小さな山に見立てた《OYAMA》を中心としたインスタレーション的な坪庭。そして店舗の最奥には、建物の歴史と同じ明治時代の飼い葉桶に30種類ほどの植栽が施された作品《飼葉桶》。
この現代的なお庭を手掛けたのはボタニカルアレンジメンツ《TSUBAKI》。「植物で『場』をつくる」をコンセプトに、東京を拠点に活躍されている山下郁子さんと宮原圭史さんによるユニット。京都では2021年に開催された《Gucci Bamboo House》の竹の庭が記憶に新しい方もいらっしゃるはず。あの時とはまた全くタイプの異なる、完全にオリジナルの作品がこの小川珈琲堺町錦店のお庭。
“伝統的な京町家の坪庭”とは全くスタイルが異なるので好みはあるかもしれませんが、《これまで見たことがないタイプの異質なお庭》はいつだって想像を掻き立ててくれる。いっときのオブジェのようでありつつも、季節ごとに訪れるとその時々の成長した姿が見られる/同じ姿は二度と見られない。余白が植栽を引き立てつつも、その余白が今後進化していくのかも…。楽しい。
そんな斬新なお庭と美味しいコーヒーを満喫できる堺町錦店。なお2階にはギャラリースペースもあり不定期でイベントが開催されています。ぜひ訪れてみて。
(2023年1月〜10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京都市営地下鉄烏丸線 四条駅より徒歩7分
阪急京都線 烏丸駅より徒歩5分
最寄りバス停は「四条高倉」バス停 徒歩5分
〒604-8127 京都府京都市中京区菊屋町519-1 MAP