南方熊楠邸(旧南方家住宅)

Former Minakata Kumagusu House, Tanabe Wakayama

“らんまん”で話題の牧野富太郎と並び日本の植物学黎明期を牽引した世界的植物学者・南方熊楠…国登録有形文化財の和風建築と、研究園として新種の菌が発見されたお庭。

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南方熊楠顕彰館・南方熊楠邸(旧南方家住宅)について

「南方熊楠顕彰館・南方熊楠邸」(みなかたくまぐすけんしょうかん・みなかたくまぐすてい)は日本で初めて“エコロジー”の思想を提唱した世界的植物学者・南方熊楠の資料館および旧邸。その旧宅は明治〜大正時代に建築されたで「旧南方家住宅」として主屋/書斎/土蔵/井戸屋形の4棟が
2023年4月に初めて訪れました。

2023年の朝ドラ“らんまん”で話題の牧野富太郎博士とともに、近代〜昭和の日本の植物学黎明期を牽引した「南方熊楠」。2人に共通するのはいわゆるエリート路線を歩んだのではなく“在野の研究者”として支持を集めた点。植物面では草花よりも“隠花植物”にカテゴライズされた菌類/苔類/藻類/地衣類の第一人者として論文執筆や書籍を刊行、また民俗学・宗教学と多方面で活躍。

紀州和歌山城下の出身の南方熊楠。東京大学入学(中退)、また明治時代の早い時期にイギリス・アメリカに留学し孫文にも出会うなど世界への繋がりを早々に作りながらも、帰国後は都会ではなく紀伊田辺に移住し最晩年までを過ごし、和歌山から海外専門誌への寄稿を続けました。

その旧宅「南方熊楠邸」はそのうち亡くなるまでの25年を過ごした旧宅。現在残る建築のうち、主要な主屋・書斎などは大正時代に新築されたものですが、それ以前は和歌山藩士の(与力屋敷跡)があり、塀や周辺の雰囲気からその時代の面影も。約400坪の敷地内の大部分を占めるのは“庭”。日本庭園ではなく、熊楠自身が“南方植物研究所”と名付けた場の通りの“植物研究園”。この庭でも新種の変形菌を発見したという由緒あるお庭で、クスの古木が武家屋敷ルーツの歴史も感じさせます。

その旧宅と並ぶ形で2006年(平成18年)に開館したのが『南方熊楠顕彰館』。氏に関する公式施設としては1965年(昭和40年)に南紀白浜に『南方熊楠記念館』が開館しましたが、2000年代に南方家の子孫から先述の旧邸と所蔵されていた資料一式・蔵書など約25,000点が寄贈。田辺市名誉市民でもある南方熊楠のこれらの資料を広く公開、研究を推進する目的で開かれました。田辺のこと、熊楠のこと、植物のことを展示パネル等で学ぶことができます。

林業が盛んな南紀の材木を格子状に組み込んだデザインが特徴的なの設計は磯崎新アトリエ出身の建築家:インテグレーティッド・デザイン・アソシエイツ/堀アーキテクツ。建築ファンも植物ファンも、そして・熊野古道を訪れる方もぜひ立ち寄ってみて。

(2023年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR紀勢線 紀伊田辺駅より徒歩9分

〒646-0035 和歌山県田辺市中屋敷町36 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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