またべえ / ヤンの太陽 & ウィーラセタクンの月

Matabee / Ring of Fire - Solar Yang Lunar Weerasethakul, Naoshima, Kagawa

“アートの島”直島で日本建築学会賞を受賞した“直島ホール”と同時期に、建築家・三分一博志が手掛けた古民家と苔庭を舞台としたアート作品が2024年より公開開始!

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またべえ / ヤンの太陽 & ウィーラセタクンの月について

「またべえ」は香川県・瀬戸内海に浮かぶ“アートの島”「直島」の築100年超の古民家を改修した和風建築。改修・増築を手がけたのは直島でいくつものプロジェクトを手がける建築家・三分一博志(三分一博志建築設計事務所)。建築の周りには苔庭が広がり、2024年6月よりベネッセアートサイト直島の新作『Ring of Fire – ヤンの太陽 & ウィーラセタクンの月』の展示会場となっています。

2025年の『瀬戸内国際芸術祭』に先駆け、2024年より公開の始まった直島の新スポットを紹介(それもお庭があるから!)。

直島の公共建築『直島ホール』や『犬島精錬所美術館』(この2作品は日本建築学会賞受賞)など、直島&瀬戸内国際芸術祭の開催エリアで建築・作品を手掛けられている建築家・三分一博志さん。直島の本村地区にあるこの「直島の家-またべえ-」は『直島ホール』と同時に2015年に改修を終えた建築でしたが、当初は住宅(ゲストハウス)として用いられていました。

その建築の構成は『直島ホール』や2019年の瀬戸内国際芸術祭で誕生した『The Naoshima Plan “水”』と同じプラン《The Naoshima Plan》が根底としてあるのだそう。この「またべえ」でも母屋座敷の南北にお庭がある点はそのまま継承され(本村エリアの文化財建築『おおみやけ』もそう)、『The Naoshima Plan “水”』と同じく母屋の北側に水庭(水盤/池泉)があります。

その建築はそのままに、2024年6月より公開が始まったのが『Ring of Fire – ヤンの太陽 & ウィーラセタクンの月』ヤン・ヘギュ/アピチャッポン・ウィーラセタクンという2人のアーティストが協働で構想・制作した作品。苔庭の中に《太平洋を囲む火山帯(リング・オブ・ファイヤー)》を表したオブジェが配され、館内では照明・映像・音響でその作品を体験できます(館内は撮影不可)。

「またべえ」が他の『The Naoshima Plan』作品と異なるのは、その苔庭。スギゴケ/ハイゴケなど複数種類の苔が一面に広がる中に飛び石が配され、イロハモミジ等の植栽と《リング・オブ・ファイヤー》が置かれています。家屋から見て右手側に築山があり、ここでの写真ではうつっていない(※借景になっているわけではない)けれど、その方角には本村集落〜直島の中央部にそびえる鎧山〜地蔵山があります。

タイトルの通り、太陽(昼間)と月(夜間)とそれぞれ展示が見られる本作品ですが、お庭を歩けるのは昼間のみ。瀬戸芸に訪れる方はぜひ昼・夜と体験してみて。

(2025年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

本村港より徒歩2分
宮浦港から2.5km(徒歩30分/レンタサイクルあり)※島内周遊バスもあり

〒761-3110 香川県香川郡直島町本村844 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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