文豪・徳冨蘆花ゆかりの公園の一角に残る和洋折衷の近代別荘建築“旧脇村邸”。逗子市景観重要建造物&国登録有形文化財。
旧脇村邸(蘆花記念公園)について
「旧脇村邸」(きゅうわきむらてい)は逗子の中心市街地の南方、ビーチから徒歩5分程の場所にある近代建築。大正時代に三井物産常務取締役を務めた藤瀬政次郎・藤瀬秀子夫妻の別荘として1934年(昭和9年)に建てられ、その後東京大学教授の脇村義太郎氏が購入・居住した邸宅で、逗子市景観重要建造物に指定&「旧脇村家住宅主屋」として国登録有形文化財です。
現在は1984年に開園した逗子市の都市公園『蘆花記念公園』の一部になっていて外観は通年で公開。建物内部は通常非公開ですが、直近では2019年に『湘南邸園文化祭』のイベントで公開されています。
2021年10月に『KKR逗子松汀園』とともに初めて訪れました。で、偶然にもこちらも2022年1月発刊の『近代別荘建築』にも掲載されていた。
暖炉とその煙突など洋風の意匠+庭園にせり出す茶室や(写真で見る限り)内部の数寄屋風の意匠という、和洋折衷の素敵な近代和風建築。ベランダ〜居間〜食堂にある円窓の意匠は『桂離宮』の“笑意軒”のオマージュにも思える。
庭園は残念ながらあまり手が入っておらず鬱蒼としているけれど、茶室前の露地に当時の面影を感じることができます。
…普段あまりお庭の管理状況についてネガティブなことを思ったり言ったりすることはないのだけど、建物からすぐの所から生えてるスギ?ヒノキ?はいつか建物に影響及ぼしそうで心配。元はあんな建物から見ても庭から見ても邪魔な所に植えられてなかったんじゃないかなあ…。
『蘆花記念公園』はその名の通り?文豪・徳冨蘆花ゆかりの地であることから命名された公園。徳冨蘆花ゆかりの公園と言えば東京・世田谷に『蘆花恒春園』もあります。
桜山を登った先には大正時代に実業家の別邸として建てられ、徳川宗家16代目当主・徳川家達も所有したお屋敷を再活用した『逗子市郷土資料館』がある…らしいのですが山を登る園路“蘆花散歩道”が完全に塞がれていて…登った先も近年の台風による倒木があるみたいだし、資料館も老朽化で閉鎖中。
旧脇村邸のお庭ともどもプライオリティの低さを感じるけれど…頑張ってほしいな〜。脇村邸はいつか内部公開タイミングでまた訪れたい!
(2021年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR横須賀線 逗子駅/京急逗子線 逗子・葉山駅より路線バス「富士見橋」バス停下車 徒歩3分
JR逗子駅より徒歩20分弱、京急 逗子・葉山駅より徒歩15分
〒249-0005 神奈川県逗子市桜山8丁目7 MAP