南明院庭園“蒼穹庭”

Tofukuji Nanmeiin Temple Garden, Kyoto

豊臣秀吉の妹で徳川家康の正室・旭姫ゆかりの寺院に、京都・明貫造園により令和元年に作庭された枯山水庭園“蒼穹庭”。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

東福寺 南明院庭園“蒼穹庭”について

【通常非公開/2021年秋に特別拝観】
「凌雲山 南明院」(なんめいいん)は京都を代表する寺院の一つ『東福寺』の塔頭寺院。通常非公開ですが、2021年秋の『第57回京都非公開文化財特別公開』で初公開(~2021年11月7日まで)。本堂や御本尊、旭姫肖像画のほか、2019年に作庭された令和の庭園“蒼穹庭”があります(※庭園のみ撮影可)。

豊臣秀吉の妹で、秀吉の政略で徳川家康の正室となった“駿河御前”旭姫(朝日姫・南明院)の菩提寺で、“秀吉により創建”“家康により建立”とWikipediaには書かれているけど、お寺の公式情報としては室町時代の1414年(応永21年)に室町幕府4代目将軍・足利義持による創建。
多くの国指定重要文化財の絵画を残した東福寺の画僧・吉山明兆も住職を務め、今回の特別公開では近年発見・修復された明兆自画像も展示。

桃山時代~江戸時代には前述の旭姫ゆかりの寺院として家康以降の徳川秀忠徳川家光ら歴代将軍も上洛した際には墓参りに訪れたそう。境内の高台部に旭姫の墓所(五輪塔)が残るほか、今回は旭姫の肖像画や秀忠の書状を展示・公開。徳川家歴代の位牌も。

現在残る伽藍は大正時代の1917年に火災にあったのちに徐々に再建されたもので、本堂から眺められる枯山水庭園“蒼穹庭”は2019年に作庭されたばかりの新しい庭園。
作庭を手掛けたのは明貫造園さん。その庭園の銘には“明貫恒生”とあったけれど、明貫厚さんは各種メディアで“京都を代表する庭師の一人”とも評され、『京都現代美術館』の坪庭や滋賀の『MIHO MUSEUM』の庭園作庭、そしてあの俵屋旅館の庭のお手入れも担当されています。

東山三十六峰~稲荷山を借景とし、白砂の中にいくつかの苔で島が表現され、ドウダンツツジや南天など季節の木々が植わっている枯山水庭園。特別公開は僅かな期間だったけど、きっと来週以降借景の山々がどんどん色づいていくんだろう。また別の季節に公開があったら訪れたい庭園!

(2021年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京阪本線 鳥羽街道駅より徒歩7分
JR奈良線・京阪本線 東福寺駅より徒歩15分

〒605-0981 京都府京都市東山区本町15丁目811 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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