
富山市中心部の文学館は昭和のモダン建築と庭園も見所!昭和の造園家・小形研三が手掛けた“雑木の庭”を現代の造園チーム・プレイスメディアがアップデート。
高志の国 文学館(旧富山県知事公館)庭園について
「高志の国文学館」(こうしのくにぶんがくかん)は2012年に富山市の中心部に開館したミュージアム。コンセプトは《富山県ゆかりの作家や作品をわかりやすく紹介するふるさと文学の総合窓口》、館長は俳優(女優)・室井滋さん。そのランドスケープ/造園は造園家・宮城俊作率いるプレイスメディア(設計)と地元の野上緑化(施工)により手掛けられており、また『旧富山県知事公館』の庭園は“雑木の庭”で知られる造園家・小形研三(東京庭苑)/稲垣丈夫により手掛けられています。建築設計はCAn(シーラカンスアンドアソシエイツ)。
かつての富山の中心、『富山城址公園』からは徒歩5分程。『旧富山県知事公館』の名前の通り、元は富山県知事公館として1978年(昭和53年)として建築された昭和のモダン建築に加えて、知事公館の廃止⇒文学館の開館にあたり建設された現代建築の2棟により構成される高志の国文学館。開館後は中部建築賞、BCS賞なども受賞、『TOYAMAキラリ』と並んで富山の新たな名建築…。
富山県/越中国はかつて奈良時代に歌人・大伴家持が223首ものを歌を詠んだ地域…という歴史を持ちます。時代は流れ、近現代には角川書店/現KADOKAWAグループ創業者・角川源義や芥川賞作家・堀田善衞、直木賞作家・源氏鶏太を輩出。更にこの文学館では漫画家の藤子・F・不二雄、藤子不二雄Ⓐの両氏や映画監督の本木克英さん、アニメ監督の細田守さんなど幅広く『富山県ゆかりの作家・作品』全般を顕彰し紹介・発信する場となっています。
その敷地は2つのたてもの・エリアから構成。CAnによって新築された文学館と、そのお向かいに位置する富山県知事公館。建物前に庭園の広がる既存の公館=「屋敷」を中心に、新たに整備された展示棟を「蔵」、その境界線の通路を「土間」に見立てたというコンセプトで設計されています。
お庭について。旧富山県知事公館の既存の庭園をそのまま活かしながら、文学館のロビーから座ってその眺望が楽しめるお庭。既存の庭園は“雑木の庭”を提唱した昭和を代表する作庭家・飯田十基の流れを汲む小形研三(東京庭苑)と造園家・稲垣丈夫さんによる作庭。また文学館の開館にあたる再整備では「万葉集」に登場する植物が新たに植栽され、「万葉の庭」とも。
そんな主庭を「屋敷林」と見立て、文学館のランドスケープを手掛けたのが現在の造園家・宮城俊作率いるプレイスメディア。訪れたのが冬場で、先述の「土間」にもうけられた水路の水が抜かれている状態で伝えられないのですが…緑はえる季節には、こちらの水盤に屋敷林の緑がリフレクションする仕掛けになっています。
文学館の北側にもうけられた通路から眺められる、竹林とサザンカを主体として、中央に透明な床材を配した空間(「花の庭」?)もモダンな坪庭といった趣き!
昭和のモダン建築『旧富山県知事公館』には当初は東京・銀座のイタリアン・レストラン『ラ・ベットラ・ダ・オチアイ』が出店、現在はその跡を継いだフレンチ・レストラン『ブラッスリー・エ・サロン・ド・テ・シェ・ヨシ』が地元の方々に人気を博しています。建築や庭園、お食事に興味がある方もぜひ高志の国文学館を訪れてみて。
(2025年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
投稿者プロフィール

- Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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