“大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ”の作品も展示された、新田義貞一族の武将が創建した神社。景観が十日町市指定文化財(天然記念物)。
高靇神社社叢について
「高靇神社」(たかおがみじんじゃ/こうりゅうじんじゃ)は新潟県十日町市にある神社。その景観(社叢)が十日町市指定文化財(天然記念物)となっています。2018年からは国際芸術祭『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』の会場の一つとしてアート作品の展示も。
国宝『火焔型土器』が出土した縄文時代の遺跡「笹山遺跡」から程近く。見通しの良い駐車場から石鳥居を一歩くぐるとスギ、ヒノキ、ブナの高木が鬱蒼と茂る神々しい空間に鎮座する「高靇神社」。鎌倉時代の終わり、1333年(元弘3年)に新田義貞一族の武将・大井田経隆/大井田氏経の親子による創建と伝わります。
鎌倉幕府が滅びた「元弘の乱」で新田義貞の鎌倉攻めに参戦した大井田親子。戦いの後に湘南・稲村ヶ崎において海竜王の加護を得て、居城『大井田城跡』のあった十日町に海竜王を祀る神社を創建しました。祭神は豊玉姫。なお大井田城跡の南麓の現在地に移転/再建されたのは1593年(文禄2年)と伝わります。
約12,200平方メートルの境内は多くの高木が立ち並びますが、ただの自然の山ではなく、適度に人の手が入っているからこその気持ちの良い光が射す。
自然の斜面を活かした社叢と神苑のある丘に本殿があり、そして谷を挟んだ場所に『大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ2024』の新作、景山健『HERE-UPON ここにおいて 依り代』と、十二社に安置された現代イギリスを代表する彫刻家:アントニー・ゴームリー『MAN ROCK Ⅴ』があります。
元々この境内にあった自然の素材により生み出された『HERE-UPON ここにおいて 依り代』は、この神社の新たなご神木のような存在感を持ちながら、まあるくかわいいランドアート。そして『MAN ROCK Ⅴ』も――見えているから御神体ではないのだけれど――現代アート作品のようで「ここにずっとある」かのような存在感を醸す。この2つの作品が「神域」で共存している面白さ!
いずれの作品も素敵なのですが、アート作品だけ見るのももったいない素敵なランドスケープなので――(順路はアート作品だけ見ることも可能な形になっているけれど)ぜひ神社の方も参拝してみて。
(2024年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR飯山線 魚沼中条駅より徒歩15分
十日町駅より路線バス「中条」バス停下車 徒歩15分
JR・ほくほく線 十日町駅より4.5km(レンタサイクルあり)
〒949-8616 新潟県十日町市中条乙2581 MAP