坂口記念館

Sakaguchi Memorial Hall Garden, Joetsu, Niigata

“応用微生物学”の世界的権威/農学博士・坂口謹一郎が過ごした屋敷“楽縫庵”と博士の愛した“雪椿園”と枯山水庭園。地酒の試飲も。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

坂口記念館について

「坂口記念館」(さかぐちきねんかん)は“応用微生物学”の世界的権威だった農学博士・坂口謹一郎の業績を顕彰/紹介すると共に、新潟県上越市の酒造りや地酒の紹介する文化施設。風の“酒杜り館”、坂口博士の旧別邸“楽縫庵”の周辺に庭園や“椿園”があります。

新潟県上越市に残る大庄屋/庄屋クラスの屋敷による『上越名家ネットワーク』の4つの名家には含まれませんが、豪農屋敷と庭園が楽しめるのがこちら。上越名家の『瀧本邸』『白田邸』の間にあります。

発酵・醸造に関する研究で世界的権威の一人と言われた坂口謹一郎。人呼んで“酒博士”。少年期を上越・高田で過ごした後に病気のため東京へと転入。その後は東京大学(東京帝国大学)へ入学し、“応用微生物学”で世界的な研究者へと登り詰めました。
坂口博士自身は高田のエリア生まれですが、坂口家は元は旧・頸城村の庄屋(大肝煎)をつとめた豪農でした(しかし高田に引っ越す際に他人の手に)。

現在見られる主屋“楽縫庵”“留春亭”は豪農・坂口家のお屋敷ではないものの、坂口博士が戦時中に疎開してきた際に住んでいたお屋敷。…という認識で合ってるのかな…?紹介文章によっては「当時のお屋敷を再現したもの」みたいなことも書いてあるんだけど、“書斎などの内装を坂口博士が住んでた頃の状態に再現”したってことかな。

1967年(昭和42年)には文化勲章を受章。なお日本より先にフランスで勲章三等章(コマンドール勲章)も受章。お酒に関するさまざまな書籍を残し、1994年に97歳で亡くなられた坂口博士。
この記念館は坂口家から屋敷(楽縫庵)と資料等を譲り受けた上で、1999年(平成11年)に開館。順路冒頭の“酒杜り館”で坂口博士に関する展示や酒造り道具の展示を見ることができます。

庭園は大きく分けて2つに分かれます。
より“日本庭園らしさ”があるのは『楽縫庵』の北向きの庭園。訪れた日が35度近い真夏の快晴の日だったので伝わりづらいかもなんだけど、苔が広がるお庭の中に庭石が配され、杉の木の向こうには遠く山の借景ものぞめる枯山水庭園。横に長いお屋敷の真ん中に飛び石があるという変わった構成。

そして『楽縫庵』の南、かつての前庭やアプローチの周辺に広がるのが“雪椿園”。雪椿は寒冷地の日本海側に多く見られるという椿で“新潟県の木”や“上越市の花”にも指定されています。
そんな雪椿を坂口博士は好み、地元の方々とともに「雪椿保存会」を結成。私財を投じて育てた約200種類の雪椿がこの庭園では見られます(…今回は真夏なのでさすがに見られなかったけど、初春には咲き誇る花々がきっと見られる!はず!)。

“楽縫庵”は1杯100円で地酒の試飲もできます。…車でしか行けないような場所なので「自らが運転しない」シチュエーションには限られそうだけど…!ぜひ上越名家をめぐる最中にも立ち寄ってみて。

(2022年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

北越急行ほくほく線 大池いこいの森駅より上越市コミュニティバス「鵜ノ木入口」バス停下車 徒歩4分(*平日の朝夕のみ)
北越急行ほくほく線 くびき駅より約3km(徒歩40分)
JR信越本線 直江津駅より約10km(*駅付近にレンタサイクルあり)

〒942-0121 新潟県上越市頸城区鵜ノ木148 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約8万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,800以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
PICK UP / COLUMN
最新の庭園情報は約8万人がフォローする
【おにわさん】のSNSから。