皆春荘(旧清浦奎吾別邸)庭園

Kaishunso Garden, Odawara, Kanagawa

首相も務めた清浦奎吾の別邸として明治期に造られた建築と、元勲・山縣有朋本人が作庭を指揮したとされる“流れ”のある庭園。

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皆春荘(旧清浦奎吾別邸)庭園について

【土日祝のみ公開(2022年時点)】
「皆春荘」(かいしゅんそう)は明治~大正期に各大臣を歴任、内閣総理大臣も務めた清浦奎吾の別邸として造られた邸宅。これまで非公開でしたが、2018年11月より公開開始!早速足を運びました。

明治時代後期に建てられた平屋建ての建築で、その後大正時代の始めにすぐ近隣の山県有朋の別邸『古稀庵』の一部に編入(古稀庵の近くに造られたのは、清浦が元々の側近だった為と言われます)。

それに伴い作庭されたこの庭園は山縣有朋が自ら指揮したと言われており、庭園へ足を踏み入れるとすぐに、京都・無鄰菴に代表される山縣庭園に欠かせない「流れ」が見られます。現在は水が流れていませんが、辿っていくとあまり目立たない位置に水道の入り口を示すような石組も。この水の流れは古稀庵にも繋がっており、この水源・水道を「山縣水道」と言ったそう。

また古稀庵よりも高台に位置する為、箱根山の借景がより楽しめるのもこの庭園のポイント。なお建物内部の見学は不可ですが(外から見られる範囲のみ)、玄関には山縣本人による「皆春荘」の書が飾られているのだとか。以前この皆春荘の門前から階段を見て、どんな光景があるのだろう……と思っていましたが、期待通り素敵なロケーションで公開に至った関係者様に感謝感激雨あられという気持ち!(丁度紅葉もきれいでした。)

公開は2022年現在は土日祝日のみ。古稀庵が日曜日のみ公開なので日曜に併せて訪れるのがおすすめです。また2018年は冬季休業も1ヶ月程取られていたので、訪れる際は小田原市の関係機関(観光案内?)に要確認を。また当時この地にあったという茶室「暁庵」は箱根の温泉旅館『吉池旅館』に移築・公開されています。

(2018年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

箱根登山鉄道 箱根板橋駅より徒歩10分
JR東海道新幹線・小田急小田原線 小田原駅より徒歩約25分(市内にレンタサイクルあり)

〒250-0034 神奈川県小田原市板橋852 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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