
弥彦神社や岩室温泉から程近くの“親鸞聖人越後御旧跡”に佇む、新潟県指定文化財(名勝)の苔むした古庭園。京都で修業した三条の名庭師“美石”作庭。
浄専寺庭園について
【庭園拝観は事前にお寺の都合を確認推奨】
「太田山 浄専寺」(じょうせんじ)は新潟県新潟市の南西部「岩室温泉郷」の程近くに位置する浄土真宗・真宗大谷派の寺院。江戸時代、三条の名庭師と呼ばれた美石(通称ねこ)により作庭された庭園が新潟県指定名勝(文化財)となっています(※唯一の新潟県名勝の庭園)。また親鸞聖人の作と伝わる木像が寺宝として所蔵され、「親鸞聖人越後御旧跡」のお寺でもあります。
お寺さんの都合が良ければ庭園拝観可能ですが、法事などで拝観不可となることも。事前にお電話でご都合をお聞きください。
新潟県には「豪農屋敷の大規模かつ美しい庭園」がたくさんありますが、一方で「寺院に作られた、江戸時代以前の古庭園」はさほど多くない——新潟県の国指定文化財(名勝)で言うと『旧関山宝蔵院庭園』は寺院庭園だけれど、お寺はすでになく、新潟の中心部からはだいぶ距離もある存在。
その中で、新潟の中心部からもやや近く、新潟県の文化財として指定を受けている唯一の庭園がこの「浄専寺」。…中心部からやや近いと言っても最寄駅からのアクセスは決して良くないのですが(※季節によって土日は周遊バスあり)、“越後一宮”『弥彦神社』約2km、旧北国街道沿いに位置し、江戸時代には幕府の直轄領として「石瀬代官所」も置かれた地域。北国街道から参道に入ると、門前からの多宝山の借景がすごく良い…!
その歴史について。浄専寺の創建は江戸時代はじめの1608年(慶長13年)で、本堂など主要な堂宇は江戸時代後期の建築。しかし寺宝の「親鸞聖人形見の御真影」はお寺よりも古く、鎌倉時代のはじめ、京都から越後に流された親鸞が弥彦神社を参拝・滞在した際に制作されたものと伝わります。明治時代の廃仏毀釈の際に、それまで神仏習合だった弥彦神社からこの浄専寺に移されたそう。
庭園について。新潟県指定名勝の主庭園は本堂と庫裡の中庭。すごくよく苔むした枯山水庭園で…新潟県は苔の美しいお庭は色々あるけれど、寺院庭園もこんなに苔むすのか…!作庭と手掛けたと言われるのは、地元・三条の名庭師と称された美石(通称ねこ)。京都で修行したという美石の作で、唯一現存するのがこのお庭なのだそう。
文化財のパネルには(美石が京都で修行した庭師だからか)「京都文化を表現」とあるけれど、『あのお庭に似ているな…』というのを(良い意味で)あまり感じない…強いてあげれば、同じ浄土真宗の古刹、奈良県指定名勝『願行寺庭園』が本堂との位置関係&枯山水庭園で思い出した存在だけれど、枯滝石組&築山がこんなに苔むした枯山水はこの庭園ならではの魅力…。
もう一つ、「美石」について思ったこと。三条から程近くの『椿寿荘』の庭園は、京都の庭師・広瀬万次郎の作庭と伝わる。その広瀬万次郎が能登半島に残した石川県指定文化財の庭園『平家庭園』にこの浄専寺は似ているなあ…と。美石と広瀬万次郎はもしかして近い関係性だったのかな?と妄想。
この庭園の奥に、もう一つ池泉鑑賞式庭園があります。こちらは「自由にやっている新しい庭園」なのだそうですが、池泉(心字池)を眺めるように建つ客殿は大正時代の建築だそうなのでお庭もそれ位の時代のものかな。こちらもよく苔むした姿が目を引き、背景の自然の山(多宝山)のスケールでより大きさを感じさせる庭園。そして手前の六角雪見灯籠…の更に奥に見える変わった(古そうな)石塔が目を引く。詳しいことは不明なんだそうですが、新潟の鳥屋野潟の方からこの地に運ばれた?という伝承があるそう。鳥屋野の方にはかつて浄土真宗の大寺院があったそうなので、そこからの伝来なのかもしれません。
弥彦神社や岩室温泉を訪れる観光客の方にもぜひ立ち寄って欲しい、苔の美しい古庭園です!
(2026年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR弥彦線 弥彦駅より約3km/JR越後線 岩室駅より約4km
JR弥彦駅・JR巻駅より路線バス「たからやま酒造」バス停下車 徒歩5分(※春〜秋の土日祝に運行)
〒953-0141 新潟県新潟市西蒲区石瀬3743 MAP
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