旧長谷川治郎兵衛家庭園Kyu-Hasegawa Residence Garden, Matsusaka, Mie

日本三大商人“伊勢商人”が江戸~大正時代に建築した国指定重要文化財の豪邸。庭園は三重県指定名勝。

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旧長谷川治郎兵衛家庭園について

「旧長谷川治郎兵衛家」(きゅうはせがわじろべえけ)は松阪に残る豪商の邸宅。江戸時代~大正時代にかけて建造・増築された邸宅は「旧長谷川家住宅」として国指定重要文化財、庭園は「長谷川氏旧宅」として三重県指定名勝・史跡となっています。

地味にずっと訪れたかった場所。2017年に国指定名勝『北畠氏館跡庭園』へ訪れるために松阪を訪れた時にはその存在は知っていたのですが、当時は時期限定&土日のみの公開。2019年から松阪市観光協会が指定管理者として運営がはじまり通年公開されるようになりました(月曜休)。

松阪城や松阪牛が有名な松阪は、江戸時代には大阪や近江と並び“日本三大商人”松阪商人・伊勢商人を輩出した町。最も有力なのは三井家ですが(長谷川家の近くに「三井家発祥の地」も残ります)、この長谷川家も江戸時代初期の1675年に江戸・日本橋大伝馬町で“松阪木綿”扱う木綿問屋を創業。“丹波屋”の屋号で江戸で複数店舗を展開する豪商に成長。

江戸時代には松阪出身の学者・本居宣長を支援するパトロンにもなり、11代目当主・長谷川定矩は俳人・長谷川可同としても作品を残し茶道を千宗室に学ぶなど文化を支えましたが、現代は徐々に衰退し2014年に後継の会社は廃業。この邸宅も松阪市に寄贈されました。

主人が京都や江戸に移った三井家と異なり長谷川家の主人は松阪に拠点を置き続け、事業の発展とともに邸宅は広くなりました。なので庭園も時代ごとに少しずつ雰囲気が異なっている。
敷地奥にある池泉回遊式庭園と茶庭は明治時代に作庭されたもので、その庭園を眺める離れは1895年(明治28年)の建築。上がることはできませんが(貸室として利用することはできるみたい)、中には日本画家・尾竹国観の襖絵が。

そして大正時代の“大正座敷”周辺にも京町家風の枯山水庭園~露地庭が残っています。前述通り長谷川家は裏千家と繋がりがあったため、裏千家の茶室“今日庵”を模した茶室等も作られました(現在は石碑のみ残ります)。

邸宅・庭園とともに当時反映した伊勢商人が残したものとしては三重県内で唯一現存するものだそうで、長谷川家に伝わる史料や古文書、美術品・調度品なども企画展ごとに展示がされています。庭園の一部は今回整備中(伐採中)で入れない場所もあったので、また松阪通り掛かる時に立ち寄りたい!駅からさほど遠くないのも嬉しい庭園。

(2020年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR紀勢本線・近鉄山田線 松阪駅より徒歩10分強
松阪駅より循環バス「よいほモール北」バス停下車 徒歩2分
*駅前にレンタサイクルあり

〒515-0082 三重県松阪市魚町1653 MAP