祇園 花街芸術資料館(八坂倶楽部)庭園

Gion Kagai Art Museum (Yasaka Club) Garden, Kyoto

京都の人気観光地“花見小路”で出会える庭園!春の風物詩“都をどり”の舞台に2024年に装い新たに開かれた舞妓さん/芸妓さんのミュージアムの近代日本庭園。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

祇園 花街芸術資料館(八坂倶楽部)庭園について

【公演期間中は休館】
「祇園 花街芸術資料館」(ぎおん かがいげいじゅつしりょうかん)は京都を代表する観光スポットの一つ「花見小路」にある『祇園甲部歌舞練場』に2024年5月にオープンしたミュージアム。展示室となっている大正時代の近代和風建築が国登録有形文化財で、そのうちの一つ『八坂倶楽部』に面した日本庭園を鑑賞できます。

古くは江戸時代からの歴史を持つ京の五花街の代表的存在「祇園甲部」。この地で明治時代初頭にはじまり京都の春の風物詩となっているのが『都をどり』、その会場や活動拠点として知られる「祇園甲部歌舞練場」。
1913年(大正2年)に建てられた本館/別館/玄関と昭和初期建築の正門が「ぎ園甲部歌舞練場」として国登録有形文化財で、2016年秋〜2023年にかけてはその貴重な建築の耐震工事が実施されました。

そして隣接する「八坂倶楽部」も大正2年の建築で国登録有形文化財。歌舞練場の休館中には現代美術家・草間彌生さんの作品を中心に展示された『フォーエバー現代美術館』としても利用されました(2017年〜2019年)。さらに、隣接する『弥栄会館』も2026年には帝国ホテルとして開業予定。

そんな八坂倶楽部を新たに活用する形で、2024年5月にオープンしたのが「祇園 花街芸術資料館」。歴史的な建築はそのまま活かしながら、祇園の街、芸妓さん・舞妓さんに関する各種アイテム(着物や装飾品)や情報(個々のお名前や修行の話まで)を展示しその文化を伝えています。
更にはプラス料金で芸妓さん・舞妓さんによる京舞の鑑賞や記念撮影まで!(しかも演出がいわゆる「ツーショ特典会」的!)。京都観光において、目にはするけど遠い存在だった「舞妓さん」オフィシャル施設的存在、それがこの資料館。

2階には132畳もある座敷があり、その前の廊下からは庭園越しの東山の借景が。そして同じく1階大広間では、座って庭園を眺めながら一休みすることもできます。

その庭園も建築と同じく大正時代に作庭されたもので、東山の方に近代京都の名庭師・七代目小川治兵衛(植治)の作庭した『無鄰菴』を思い起こす、和風建築越しのゆるやかな傾斜と流れのあり芝と苔がともに楽しめる池泉回遊式庭園。庭園の奥の方には、元はこの地・建仁寺の塔頭にあった織田有楽斎ゆかりの国宝茶室『如庵』(オリジナルは現在愛知県に移築→『有楽苑』)と同名の茶室も。

この庭園、以前美術館として開館されていた際も見ることはできましたが、2024年の資料館の開館にともなって京都芸術大学日本庭園・歴史遺産研究センター+植藤造園さんにより修復(現在も一部立ち入り禁止)。東山の借景…はグラウンドレベルからは見えないものの奥行きが広がり、その何気ない芝生も「京太閤芝」というノシバが採用されています。これは「太閤石」という銘石が多く使われている事にちなんだもの。

昼間に訪れても美しい庭園ですが、施設の開館時間が20時までなので「暑い日でも、夕暮れ時に庭園を楽しめる」のもオススメポイント、さらに暗くなればライトアップされた姿も!

更に順路を進んでいくと京都の地酒やウイスキーを味わえるカフェや、ここでしか買えない舞妓さん・芸妓さんグッズのあるミュージアムショップも。生まれ変わった八坂倶楽部の新たな取り組み、ぜひ訪れてみて。

(2024年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京阪電車 祇園四条駅より徒歩7分
阪急京都線 京都河原町駅より徒歩10分
京都市営地下鉄東西線 三条京阪駅より徒歩15分
最寄りバス停は「東山安井」「祇園」バス停 徒歩5分

〒605-0074 京都府京都市東山区祇園町南側570-2 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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