有楽苑・国宝茶室“如庵”Urakuen Garden, Inuyama, Aichi

国宝『犬山城』の麓の回遊式日本庭園。織田信長の弟で大名茶人・織田有楽斎が建てた国宝“如庵”を筆頭に数多くの歴史的建造物や茶室が。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

有楽苑・国宝茶室“如庵”について

「有楽苑」(うらくえん)は現存12天守の一つで国宝『犬山城』の麓にある日本庭園。庭園内にある茶室『如庵』(じょあん)も国宝で、織田信長の弟で大名茶人・織田有楽斎によって江戸時代初期に建てられた“国宝茶席三名席”の一つ。如庵と並び建つ「旧正伝院書院」も長谷川等伯狩野山雪の襖絵が残る国指定重要文化財で、他にも回遊式庭園の中に様々な歴史的建造物があります。

2019年3月より休園していた有楽苑が2022年3月より再開園!2022年6月初旬に初めて訪れました。

戦国時代〜安土桃山時代にかけて織田信長豊臣秀吉徳川家康のそれぞれの間に立ち支えた織田有楽斎(織田長益)。茶道を千利休に学び、古田織部細川忠興(細川三斎)らとともに“利休十哲”の一人にも挙げられるとか。

織田有楽斎が江戸時代に京都・建仁寺内に再建したのが『正伝院』(現『正伝永源院』)。大坂夏の陣の後に隠居所とした正伝院の中に1618年(元和4年)頃に建立されたのが「如庵」。この二畳半台目の茶室は今日では大山崎・妙喜庵に千利休が残した“待庵”、大徳寺・龍光院の“密庵”とともに“国宝茶席三名席”と並び称されます。

そんな国宝茶室も明治時代以降は各地を転々。明治時代末期に東京の三井本邸に移築されたのち、1938年(昭和13年)に三井財閥10代目・三井高棟により三井家の大磯別邸(現『大磯城山公園』)へ移築。
1972年(昭和47年)に所有者が名古屋鉄道(名鉄)へと移り、建築家・堀口捨己の指揮の下で犬山城下の現在地に移築、そのために作庭された庭園は織田有楽斎にちなんで“有楽苑”と名付けられました。

なお如庵が国宝指定されてるのは東京の三井本邸にあった時代の1936年(昭和11年)。茶室だから移動可能な作りとはいえ、国宝建造物が二度も長距離移動している例としては現代にはあまりない・稀有な例?

如庵・正伝院を中心とした回遊式亭園の中には他にも歴史的な建造物や石造物が見られるのですが、如庵だけでなく三井家大磯別邸から移築されているものも多い(園内西部にある徳源寺唐門、正伝院書院の入り口になっている含翠門&萱門)。
中でも徳源院唐門は奈良県大宇陀町の織田家の菩提寺にあった山門、“岩栖門”は室町時代に京都の細川満元の屋敷『岩栖院』に建てられた唐門と伝わり、これらも文化財でもおかしくないような歴史がある。

順路の最初と終盤に鑑賞する茶室“元庵”は元は有楽斎が大阪・天満に構えた茶室を古図に基づき復元したもの。元庵の玄関に建つ石灯籠が“藤村庸軒旧蔵石灯籠”。藤村庸軒は千利休の孫で今日の表千家/裏千家/武者小路千家の流れを作った千宗旦の弟子。国指定名勝『居初氏庭園(天然図画亭)』の作庭者でもあります。

園内で比較的新しい茶室が“弘庵”で、文化財として鑑賞する対象の如庵・正伝院などに対して、実際に茶会をするために新たに建築されたもの。600円でお茶・お菓子を一服いただくことができます。この周辺の露地庭が苔が美しくて素晴らしい!
その先にある池泉回遊式庭園“茶花園”も…名前からして茶花が主役のようで、庭石・滝石組がかっこいい庭園。

ちなみに如庵は月1回程度の頻度で内部の特別公開も。2021年度は全部平日(月曜日)なんだけども…いつか参加したい!

(2022年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

名鉄犬山線 犬山遊園駅より徒歩8分
名鉄犬山線 犬山駅より徒歩15分強

〒484-0081 愛知県犬山市御門先1 MAP