葛飾北斎の最晩年の作“八方睨み鳳凰図”だけでなく、秀吉の重臣・福島正則の霊廟や俳人・小林一茶ゆかりの庭園も。
岩松院庭園について
「梅洞山 岩松院」(がんしょういん)は小布施の街のはずれ、中世の山城・雁田城の麓にある寺院。江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎が最晩年に描いた『八方睨み鳳凰図』が有名ですが(自分も訪れた目的はそれですが)、本堂の裏にある池泉鑑賞式庭園は江戸時代の俳人・小林一茶が《やせ蛙 負けるな一茶 是にあり》という句を詠んだ“蛙合戦の池”。
また豊臣秀吉の重臣として知られる戦国武将・福島正則ゆかりの寺院でもあり、境内には福島正則公霊廟も残ります。小布施町指定史跡。
2019年5月、初めて小布施を訪れた際に初めて拝観!小布施は“花のまち”でもあり、葛飾北斎の晩年の作が複数残る“北斎ゆかりの町”でもある。北斎の作品が見られるのは街の中心部にある『北斎館』と、この岩松院。
本堂の天井一面に描かれた『八方睨大鳳凰図』は北斎が逝去の前年、89歳の時に描いた作品で、鮮やかな色味とその名の通り巨大な鳳凰の絵がギョロっとこちらを見渡す圧巻の作品。
岩松院の創建は室町時代の1472年(文明4年)。丹波国から小布施に移った地頭・荻野常倫により雁田城とともに築かれたそう。この荻野常倫の名前、また後日小布施の庭園で出てくる予定。
江戸時代に入り一時は安芸国の大大名となった福島正則が1619年(元和5年)に減封により当地に移され、菩提寺と定められ再興されたのがこの岩松院。
そして『おぶせオープンガーデン』のスポットの一つとして公開されている裏庭の池泉鑑賞式庭園は江戸時代中期に活躍した俳人・小林一茶の句にも登場しています。ということは遅くとも江戸時代中期にはあったわけで、福島正則によって整備された江戸時代初期に作庭された可能性も?冒頭の写真の右上の石組も見逃せない。
池泉を覆うモミジ、そこに至るまでの斜面に多く植わっているツツジ、それ以外にも梅や桜など季節の花々が楽しめる寺院。北斎の絵画の後には庭園散策も。
(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
長野電鉄長野線 小布施駅より徒歩25分(※駅にレンタサイクルあり)
長野電鉄長野線 都住駅より徒歩20分
小布施駅より周遊バス「岩松院入口」バス停下車 徒歩2分
〒381-0211 長野県上高井郡小布施町大字雁田604 MAP