
名古屋の都心のエアポケット。緑に囲まれながら、アートとカフェも楽しめる――穴場の日本庭園。
古川美術館分館・爲三郎記念館庭園について
「古川美術館」(ふるかわびじゅつかん)は名古屋市営地下鉄・東山線の池下駅からほど近くにある美術館で、名古屋および東海地方で幅広い事業を展開していた実業家・古川爲三郎(ふるかわためさぶろう)がコレクションした美術品を公開するために平成3年(1991年)に開館した私設美術館。
そしてその美術館本館からすぐ近くにある分館の「爲三郎記念館」は、為三郎の邸宅として昭和初期に作られた数寄屋建築「爲春亭」(いしゅんてい)を中心に、茶室「知足庵」や日本庭園が楽しめる施設。
名古屋は覚王山あたりがオシャレスポットになってるとは聞いていたけど、こんな空間あったんだ…!知らなかったしめちゃめちゃ良かった!
現在の「爲春亭」の内部は平成7年に美術館の別館となったのをきっかけに建築家・吉柳満氏によって一部を改装。中でも「桜の間」は現代風の内装に洋画家・田村能里子さんの壁画が楽しめる空間。それ以外にも意匠の素晴らしい「ひさごの間」など和風建築としても楽しめるし、館内では様々なアート作品の展示も(なので館内は撮影禁止)。
入館料の700円はそのまま館内の「数奇屋 cafe」での飲食代に。窓沿いに作られた茶席で庭園を眺めながらお抹茶やコーヒーと和菓子をいただけました。…なにこの実質タダ感。全然誰か誘って来たいこの感じ…この場所もっと早くから知っていたかった…!
回遊式庭園について詳しい解説はなかったけれど、庭園から見るとその数寄屋建築の美しさをより感じることができる。なおこの建築は2013年に名古屋市の景観指定文化財に認定されたそう。
面白いのがこの建築は斜面のくぼみのようなところに作られていて、入口やメインの間は1階にあるけど地下にひっそり茶室「太郎庵」がある。なのでその太郎庵からも庭園が楽しめるように、斜面を活かした庭園の造りになっています。後半の12・13枚目の地下部分から入り込む中庭。
庭園内には尾張ゆかりの織田有楽斎(織田信長の弟)が建てた国宝の茶室「如庵」にインスパイアされて作られたという茶室「知足庵」も。この建物から少し離れれば大通りのある都心の風景。名古屋の中心でこんな自然の風景に出会ったのは初めてな気がするな〜。本当にまた行きたい場所!
※なお最後の2枚はすぐ近隣の料亭「よし川別館」さんの庭園。散策できそうだったので少しだけ。このエリア本当にいいなあ。
(2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)