“三河の小京都”西尾の中心・西尾城跡に京都から移築された五摂家・近衛家の邸宅と、回遊式枯山水庭園。
旧近衛邸(西尾市歴史公園)について
「旧近衛邸」(きゅうこのえてい)は“三河の小京都”西尾の旧城郭・西尾城跡を整備した「西尾市歴史公園」内にある公家・近衛家の旧邸宅(のうち、数寄屋造りの書院棟・茶室棟)。建物を囲んで枯山水庭園があります。
2020年12月、約6年半ぶりに西尾の町を訪れました。鎌倉時代に足利義氏によって築城された「西条城」が前身とされる西尾城。江戸時代には酒井正親・その子の酒井重忠・本多康俊・太田資宗・井伊直好といった武将、大名が城主/藩主をつとめ、街も西尾城の城下町として発展。
先に紹介している『尚古荘』も西尾市歴史公園にある施設になりますが、平成年代の1996年再建された城門(鍮石門)、櫓(本丸丑寅櫓)などお城って感じを味わえるのは旧近衛邸。
旧近衛邸は元は京都御所の北、現在『近衛邸跡』として庭園の遺構のみ残る場所に江戸時代末期に建てられたもの。当時の左大臣・近衛忠房に薩摩藩主・島津斉彬の姫が嫁ぎ、その縁で島津家の寄進により建築。通称“桜木御殿”…というのが桜の名所にもなっている近衛邸跡らしさを連想。
一時は小松宮彰仁親王や山階宮晃親王の別邸としても使用された後、京都・神宮丸太町の「天理教 河原町大教会」に移築。昭和末期に取り壊しが決まった際に西尾文化協会が取得、1995年に西尾へと移築・寄贈されました。なので回遊式枯山水庭園はその際に作庭されたものですが、縁側からは本丸丑寅櫓の姿ものぞめます。
お茶の街・西尾ということで邸内の見学にはお抹茶がつき、天袋に古い絵図の残る書院で庭園を眺めながら一服することができます。お茶室の中は入れないけれど、網代天井など当時の格式高い公家の茶室を垣間見られる。
また旧近衛邸と鍮石門のあいだには椿苑“椿聴庵”も。今回訪れたのはちょうど紅葉が美しい季節だったけれど、初春に訪れても花が楽しめる庭園です。
(2020年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
名鉄西尾線 西尾駅より徒歩15分(駅にレンタサイクルあり)
西尾駅よりコミュニティバス「歴史公園北」バス停下車 徒歩2分
〒445-0864 愛知県西尾市錦城町231-1 MAP