太宰府天満宮

Dazaifu Tenmangu Shrine Garden & Kariden, Dazaifu, Fukuoka

“学問の神様”菅原道真の眠る九州を代表する観光名所、2026年まで藤本壮介の現代建築“仮殿”も。御本殿と共に国指定重要文化財の“志賀社”が鎮座する心字池庭園…

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太宰府天満宮について

「太宰府天満宮」(だざいふてんまんぐう)は平安時代の学者/政治家である“学問の神様”菅原道真をまつった神社・天満宮の総本社の一つ。京都の『北野天満宮』や山口県の『防府天満宮』とともに日本三大天神としても並び称されます。御本殿および心字池の中島に建つ志賀社本殿が国指定重要文化財。

また2023年から御本殿の“令和の大改修”に伴い、建築家・藤本壮介(藤本壮介建築設計事務所)による緑の現代建築「仮殿」が造営されました。その屋根の植栽計画はSOLSO(DAISHIZEN)によるもの。2026年までの期間限定のランドスケープの写真を追加して改めて紹介。

年間約1,000万人が訪れる九州を代表する観光名所である太宰府天満宮。その歴史は平安時代へとさかのぼります。京都の朝廷での出世から一転、遠く離れた九州・大宰府に左遷されこの地で亡くなった菅原道真。それ以降京都では不幸が相次ぎ、その道真の怨霊を鎮めるために氏の墓所の上に919年(延喜19年)に社殿が建立/創建されました。

現在まで残る大唐破風・檜皮葺屋根の本殿(国指定重要文化財)は桃山時代の1591年(天正19年)に豊臣秀吉の命を受けて武将・小早川隆景が5年かけて再建・整備したもの。
またその前にある“飛梅”は左遷された菅公(道真)を慕って一夜のうちに京の都から一夜にして九州に飛んできたという御神木。約6,000本の梅の木が植わり梅の名所として知られる太宰府天満宮境内の中でも毎年最初に咲くとか。

そんな御本殿が『菅原道真1125年 太宰府天満宮式年大祭』へ向けて大改修(修復)されるのに伴い2023年春に登場したのが、現代の建築家・藤本壮介設計による「仮殿」。前述の“飛梅”の伝説から着想を得たという木々の植わった屋根がその特徴で、2024年時点では完成当初と比べてかなり成長した植物の姿を見ることができ、上手側(西側)から見ると東側の山々と緑が連なる。
またその植栽の内容や屋根の構造については、2024年8月から宝物殿で始まった『藤本壮介展―太宰府天満宮仮殿の軌跡―』内で展示。2026年までの期間限定ですが、その小さな森がどこまで成長するか見届けたい…!(また育った樹木は解体後も境内に移植されるとのこと。)

境内には二つの池泉庭園があります。一つは6月にハナショウブが咲き誇る“菖蒲池”、そして社殿から真っすぐの場所に位置し、江戸時代以前の絵図にも描かれた神苑“心字池”。なお、心字池の中島にある『太宰府天満宮末社志賀社本殿』は御本殿よりも古い室町時代の1458年の建立と伝わる、太宰府天満宮に現存する最古の建造物(国指定重要文化財)。

戦国時代には山城“岩屋城”のあった岩屋山を借景とした“心字池”には朱色の太鼓橋・平橋・太鼓橋の三橋が架けられています。この御神橋はそれぞれ過去・現在・未来をあらわしていて、この橋で水の上を歩くことで、心身ともに清められご神前に向かうという意味があるそう。池には亀島が浮かび、東側には立派な滝石組、そして人気アーティスト・サカナクション山口一郎さんの献梅があります。

>>『浮殿庭園』の紹介はこちら

(2013年1月、2020年2月、2024年4月・8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

西鉄太宰府線 太宰府駅から徒歩6分

〒818-0117 福岡県太宰府市宰府4丁目6-16 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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