浄智寺境内

Jochi-ji Temple Garden, Kamakura, Kanagawa

夢窓疎石も住職を務めた“鎌倉五山”第四位の寺院に残る苔の庭と竹林の風景。国指定史跡。

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金宝山浄智寺について

「金宝山 浄智寺」(じょうちじ)は鎌倉時代、鎌倉幕府により定められた“鎌倉五山”の第四位の寺院で、「浄智寺境内」として国指定史跡となっています。
付近の国指定名勝『円覚寺』『建長寺』のような池泉庭園があるわけではないのでこれまで訪れてなかったのですが、2019年の5月に初めて拝観。夢窓国師ゆかりの寺院でもあるので紹介!

浄智寺が開かれたのは鎌倉時代の中期、1281年頃。鎌倉幕府の5代目執権・北条時頼の三男・北条宗政が亡くなった後その菩提を弔うために宗政の夫人と兄・北条時宗により創建されました。鎌倉時代の終わりには、後に京都で世界遺産の名庭園を残す夢窓疎石も住職として滞在。また北条に取って代わる足利氏から足利持氏もこの浄智寺に長く滞在したそう。

江戸時代以降は鎌倉の町が衰退したのと同じように、最大11を数えた塔頭寺院も少しずつ減り、大正時代の関東大震災で伽藍の大部分が倒壊。現在の境内に残る建造物はそれ以降のものが中心。特徴的な鐘楼門は江戸時代初期、1679年に建立された姿に2007年に再建したもの。
本堂「雲華殿」には室町期・南北朝時代の作とされる御本尊“三世仏坐像”(神奈川県指定重要文化財)が安置、その横に立つ鎌倉一とも言われるコウヤマキは鎌倉市の文化財。その他にも国指定重要文化財の「木造地蔵坐像」を浄智寺が所有していますが、現在は鎌倉国宝館に所蔵されています。

前述通り池泉庭園のような感じではないけど、大正時代に再建された茅葺屋根の書院の裏に山野草も見られる苔庭が広がり、そして雰囲気の良い竹林へと繋がるとても良い雰囲気の庭園。映画監督・小津安二郎をはじめとして昭和年代には文人墨客にも愛されたそう。書院の内部へ上がることはできないのですが、部屋の中からその庭園を眺めたらまた自然風の良い雰囲気なんだろうなあ。境内には鎌倉の特徴的な風景であるやぐら群も!
あとパンフレット的な役割も果たす境内マップは有料(20円)ですが鎌倉ボンズくんがかわいいので入手すべし!

(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR横須賀線 北鎌倉駅より徒歩7分
JR横須賀線 鎌倉駅より徒歩約30分

〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内1402 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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