東京タワーの借景も。内堀通り沿いの現代和風庭園は、古くは江戸の名所に挙げられた増上寺弁天池(蓮池)。
増上寺弁天池(蓮池)・宝珠院について
「三縁山 増上寺」(ぞうじょうじ)は江戸幕府将軍・徳川家の墓所、霊廟なども残る菩提寺で東京を代表する大寺院の一つ。境内の南西部、現在は「芝公園」の一角に池泉回遊式庭園“弁天池(蓮池)”が残ります。
これまで紹介していなかったけど東京に住んでいた頃は何度も通り掛かっていた場所。2021年夏、『芝公園もみじ谷』を訪れた時に2年ぶりに通り掛かったので、今回と過去の写真で紹介。
平安時代に創建された『光明寺』を前身として、南北朝時代・室町時代の1393年に現在の寺名となった増上寺。桃山時代に徳川家康が江戸に入った後に現在地に移されました。
江戸時代には徳川家の菩提寺としてその地位を築いたものの、明治維新後に神仏分離と上知令で境内の大部分が『芝公園』に(日本最初の公園のうちの一つ)。また太平洋戦争の空襲でも大きな被害を受けましたが、運良く被害を免れた赤色の山門“三解脱門”が国指定重要文化財となっています。
なお増上寺ではなく芝公園の一角にある“旧台徳院霊廟惣門”も国重文。台徳院というのは二代目将軍・徳川秀忠のこと。
増上寺の西部にある『宝珠院』の前に、江戸時代~近代までは名所と言われた“弁天池(蓮池)”があります。現在の規模や姿になったのは太平洋戦争以後の現代。
内堀通り沿いのオープンスペースにあるので“庭園”といった印象は受けづらいかもだけど、小さな滝や自然石による護岸石組、モミジやサツキ・ツツジの植栽は日本庭園風。かつてこの弁天池は『もみじ谷』の流れと繋がっていたそう。(今回“もみじ谷”で水を止めてた影響なのか池の水位が低かったから、今も繋がってるのかな?)
その脇にある『宝珠院』についても少しだけ。江戸時代初期に、この蓮池に“弁天堂”を建立したのと共に創建した増上寺の塔頭寺院。港区指定有形文化財の「閻魔大王 司録・司命」や運慶の作と伝わる薬師如来像を有します。
(2019年5月、2021年8月など訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
都営地下鉄三田線 芝公園駅より徒歩7分
都営地下鉄大江戸線 赤羽橋駅より徒歩7分
都営地下鉄浅草線 大門駅より徒歩10分
JR山手線・京浜東北線 浜松町駅より徒歩15分強
東京メトロ日比谷線 神谷町駅より徒歩13分
〒105-0011 東京都港区芝公園4丁目8 MAP