ヴァンジ彫刻庭園美術館/クレマチスの丘

Vangi Sculpture Garden Museum, Nagaizumi, Shizuoka

イタリアの彫刻の巨匠:ジュリアーノ・ヴァンジ作品と四季ごとに花咲くクレマチス、そして眺望も美しい静岡の誇る“庭園美術館”!

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

クレマチスの丘/ヴァンジ彫刻庭園美術館について

「ヴァンジ彫刻庭園美術館」(う゛ぁんじちょうこくていえんびじゅつかん)は富士山とも連なる“愛鷹山”の中腹にある、《花・アート・食》がコンセプトの複合文化施設『クレマチスの丘』内にある美術館・庭園。現代イタリアを代表する具象彫刻の巨匠:ジュリアーノ・ヴァンジの世界で唯一の個人美術館であり、屋内・庭園で彫刻作品を鑑賞できるほか、クレマチスとバラが中心の“クレマチスガーデン”では四季の花々を楽しむことができます。

2010年台前半はよく東京から静岡へ帰省する道中に立ち寄っていたお気に入りの庭園美術館だったのだけれど――しばらく訪れてなかったので、2022年夏に約7年ぶりに訪れました!

スルガ銀行の創業家出身の実業家・岡野喜一郎がコレクションしたフランスの画家:ベルナール・ビュフェの作品を収蔵・展示するために1973年(昭和48年)に開館した『ベルナール・ビュフェ美術館』を皮切りに、愛鷹山麓に開かれていった“クレマチスの丘”。
ビュフェ/ヴァンジの両美術館のほか、『井上靖文学館』『IZU PHOTO MUSEUM』(2022年訪問時は休館中。杉本博司が作庭した中庭も)のほか、書店やカフェ、各種レストランが点在しています。あと『静岡サッカーミュージアム』も。

「ヴァンジ彫刻庭園美術館」はビュフェ美術館より約30年後の2002年4月に開館。地元イタリアやヨーロッパではピサ大聖堂、パドヴァ大聖堂、ナポリのサン・テルモ城、フィレンツェのベルヴェデーレ城塞…など教会・お城・宮殿でも作品を発表したヴァンジ。この美術館も氏の作品の展示に特化して設計されたもので、館内への入り口になる白い御影石が敷き詰められた展示デッキ&石庭は日本国内でもここしかない!と言える空間。

館内の作品の位置・照明にもヴァンジの意図が反映され、氏の作品が映える空間になっている一方で、外の庭園から射すやわらかな光は現代アート作家が中心の企画展で展示されていた奈良美智/川内倫子/長島有里枝/イケムラレイコさんらの作品ともマッチしている。(好きな作家さんの名前を連ねてるだけとも言う)

庭園はざっくり分けて2箇所。草間彌生さんの作品に迎えられるアプローチ〜展示デッキに至る“上部庭園”と、広い芝庭の中に“鏡池”“クレマチス ホワイトガーデン”“ローズガーデン”“くすの木の丘”からなる洋風の池泉回遊式庭園。上部庭園からは伊豆の山並みの借景も!(*以前「晴れたら富士山が借景に」とか書いてましたがそれは嘘でした…)

施設の名前にもなっている“クレマチス”の花は長泉町の特産物でもあり、クレマチスガーデン全体に約250品種2000株以上が植栽されています。またそのクレマチスと競演するよう植栽されたバラは90品種。そして今回訪れた夏場は“鏡池”の中で鮮やかな睡蓮の姿が!

庭園内の木陰にはベンチもあり、その景観を味わいながらまったりすることも(庭園内にはカフェも)。今回訪れたのは東京や京都では35度を越えるような暑さの日で、静岡も写真の通り青空が広がっていたけれど、小高い丘の上にあるこの庭園は不思議と心地良い風が吹いてそこまで暑さを感じなかった。

こんな素敵な庭園美術館ですが、2022年1月には《経営難に陥り閉館の危機にある》との報道も…(2022年1月20日:静岡新聞)。静岡の方も旅行の方もぜひ訪れてみて!

(2012年7月、2014年6月、2015年3月、2022年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR東海道新幹線 三島駅北口より「クレマチスの丘」行きシャトルバスあり→こちら
三島駅より約7km。三島駅にレンタサイクルあり(行きは上り坂)

〒411-0931 静岡県駿東郡長泉町東野347-1 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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