“画聖”雪舟が長年を過ごした住処/アトリエ跡に、社寺の古材で造られた明治時代の草庵建築。山口市指定史跡。
雲谷庵跡について
「雲谷庵」(うんこくあん)は“水墨画”の巨匠として有名な室町時代の禅僧・雪舟が住んだアトリエ・草庵。国宝『瑠璃光寺五重塔』から程近くの山の麓にその跡が残ります。「雲谷庵跡」として山口市指定史跡。
岡山で生まれ、後に京都『相国寺』に入り禅僧の傍ら画家として知られることになった雪舟。40歳の頃に守護大名・大内教弘に招かれ周防国に移住、45歳の頃にこの雲谷庵を住処としました。
1467年(応仁元年)雪舟48歳の時に遣明船で明に渡り、帰国後も各地を旅し各所(九州や島根)で雪舟庭園を残しましたが、最終的に戻ってきたのは雲谷庵。国宝『四季山水図』(山水長巻)もこの場で制作し、1506年(永正3年)87歳の時に雲谷庵で亡くなられました。
その後も大内氏の庇護した雪舟の弟子が雲谷庵に住んだり、戦国大名・毛利輝元が周防国を治めるようになった後も画家をこの地に住まわせ、場としては後世に語り継がれ。
現在見られる建物は1884年(明治17年)に郷土史家の近藤清石ら有志により廃寺となった寺院や神社の古材を用いて建てられたもの(廃仏毀釈の時代みある)。すなわち雪舟の時代からそのまま残る建物ではないけれど、現代においてはすでに築130年超。貴重な明治時代の草庵建築です。
(庭園って程のものはないけど、小岩が並べられ水路になっている所が昔からあったものだったりしないかなあ、と思ったり)
(2021年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山口線 山口駅より約2km強(徒歩25分強・駅周辺にシェアサイクルあり)
JR山口線 上山口駅より徒歩20分
山口駅より路線バス「野田学園前」バス停下車 徒歩8分
〒753-0091 山口県山口市天花1丁目12-10 MAP