世界遺産/国宝『平等院鳳凰堂』の隣にたたずむ本格的茶室の苔の美しい露地庭園。茶室の設計は京都の茶室/数寄屋建築の巨匠・中村昌生。
宇治市営茶室 対鳳庵について
「対鳳庵」(たいほうあん)は京都の世界遺産『平等院』の程近く、宇治川に面した場所に建つ宇治市営の茶室。京都の茶室/数寄屋建築の巨匠・中村昌生さんの設計で、苔の美しい露地庭園が見られます。
2023年1月、この年の茶室開きで初めて訪れました!(狙ったわけじゃなくたまたまだったのだけど、コロナ前は毎年事前予約で埋まる程だったのだそう。)
2020年に宇治を訪れた時はコロナ禍で休席されていて入れなかったのだけど、その間に正門/待合/植栽などの修復整備もされたそうで。今回は初釜のタイミングだったので庭園もきれいな時を見られたかも。
《宇治茶の振興と茶道の普及》を目的に平成年代初期、1993年に完成した「対鳳庵」。その名前は国宝『平等院鳳凰堂』に向かい合う場所に位置することから。
茶室の設計は中村昌生さん、施工は江戸時代初期からの歴史を持つ京都の宮大工・安井杢工務店さん。門に掛かる額は裏千家15代目・千玄室大宗匠による筆(…とお聞きしたけどうろ覚え)。立礼席/三畳半の小間(本席)/八畳半の広間があり、今回は広間でのお茶事でした。
本席や立礼席の周囲には良い感じに錆びた飛び石と苔のきれいな露地〜枯池の庭園があります。きっと庭園を手掛けたのも京都の著名な庭師だと思うのだけど、正式にわかったら追記…。(中村昌生さんの手掛けた茶室『岡崎公園 茶室・葵松庵』の庭園と似た雰囲気が一部から感じられるので、きっとタッグを組んだ同じ庭師さんなんじゃないかと)
ほぼ年間を通じて、1,000円から本場の宇治茶と季節のお菓子をいただける対鳳庵。流派は日によって替わり、裏千家/表千家/煎茶(月4回程度)/あとあまり馴染みのなかった京都・東山の“山荘流茶道”のお手前を楽しめます。
予約制でお濃茶のメニューやお手前体験もあり、いわゆる気軽に「庭園施設でお抹茶が飲める」というよりもう少し「本格的な作法を体験する」ことができるのが特徴!多くの人が行き交う平等院や宇治川の目の前なのに、まるで別世界の空気感が味わえる茶室にぜひ立ち寄ってみて。
(2023年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)