三重県で伊勢神宮などに次ぐ参拝者をほこる“日本最古の神社”に松下幸之助が寄進した茶室と庭園。岩城亘太郎(岩城造園)作庭。
椿大神社 茶室“鈴松庵”について
「椿大神社」(つばきおおかみやしろ)は鈴鹿山麓に鎮座する、三重県で伊勢神宮などに次いで3番目に参拝者数の多い神社。伊勢国一宮。境内には現・パナソニック創業者・松下幸之助により寄進された茶室“鈴松庵”があり、立礼席でお茶をいただけます。庭園の作庭は昭和の東京を代表する作庭家・岩城亘太郎(岩城造園)。
2021年10月に初めて訪れました!ここ行きたいなあ…と思っていたのは随分前から。だけどなかなか訪れるに至らなかったのはその立地…公共交通機関だと四日市の駅から路線バスで約1時間。本数も多くない…。
同年7月に四日市市の中心部にある茶室『泗翠庵』を訪れた時もほんとは午前に椿大神社に行こうとしてたんだけど、電車が遅延してバスに間に合わず…なんてこともあったのだけど、ようやく!
神社の歴史について。社伝では第11代天皇・垂仁天皇の27年(=紀元前3年)に創建と伝わる“日本最古の神社”。神社の背後にそびえる鈴鹿山脈系の高山入道ヶ嶽・短山椿ヶ嶽を天然のやしろとして、高山で生活を営んだ“猿田彦大神”の墳墓の近くに社殿が造営され、その猿田彦大神を主神として祀ります。
日本各地に約2,000ある猿田彦神社の総本社(猿田彦大本宮)であり、随分を山を登るな…というロケーションにも関わらず、この日は三重県内のみならず県外ナンバーの車も多かった。神明造りの本殿は青石などの巨石を埋め込んだ独特の石畳の参道がかっこいい。
目的のお茶室“鈴松庵”は本殿から右手側へ進んだ場所にあります。苔むした門、歪曲しながら精巧に敷き詰められた石畳、その向こうに覗く光悦寺垣のアプローチがいきなり美しい…!
1976年(昭和51年)にパナソニック創業者・松下幸之助により寄進された茶室と庭園で、鈴鹿市の“鈴”と松下幸之助の“松”が名前の由来。なお境内には松下幸之助翁を祭神として祀った『松下幸之助社』もあります。
茶室を手掛けたのは…松下幸之助ゆかりの茶室を多く手掛けている中村外二さんについての何かを読んでる時に椿大神社の名前を見た記憶もあるんだけど…でも今手元にその情報がないので勘違いかも。
十畳間から眺められる庭園は、作り込まれた日本庭園というよりは、境内に立ち並ぶ杉の大木をそのまま活かした自然の風景が主体の庭。その中にのぞく苔むした園路は栃木県の『古峯神社』の茶室“峯松庵”の露地庭に似ている。なお峯松庵も施主は松下幸之助。
その他の日本庭園っぽい要素としては椿岸神社の脇の“かなえ滝”や行満堂の前の神池など。今回は見頃の花は少ない時期だったけど、きっと名前の通り椿が花を咲かせる季節とかは良いんだろうなぁ。いつかそんな初春に訪れてみたい!
(2021年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR四日市駅・近鉄四日市駅より路線バス「椿大神社」バス停下車 徒歩4分
近鉄鈴鹿線 平田町駅・JR関西本線 加佐登駅よりコミュニティバス「椿大神社」バス停下車 徒歩4分
〒519-0315 三重県鈴鹿市山本町1871 MAP