和菓子“とらや”が創業の地・御所西で運営するカフェ・ギャラリー。設計は内藤廣。江戸期の面影残る庭園も。
とらや京都店(虎屋菓寮 京都一条店)について
「虎屋菓寮」(とらやかりょう)は“とらや”ブランドで知られる和菓子メーカー・虎屋の運営する甘味処/カフェ。この京都一条店は虎屋発祥の地にある店舗で、「虎屋 京都ギャラリー」を併設。その建築は内藤廣建築設計事務所が手掛けられています。ギャラリー等を含めた総称が『虎屋京都店』…?
本社が東京・赤坂にある虎屋。現在のおしゃれな赤坂店も含め何度もその前を通りかかっていたので東京=江戸のイメージが強かったけど、創業は室町時代に京都で。江戸時代初期に後陽成天皇に和菓子を献上して以降皇室御用達となり、『京都御所』から近いこの地が創業の地があるのもそうした背景。遷都とともに虎屋も本社は東京へ移りました。
以降もこの地には店舗(現代で言うところのオフィス)は残っており、現在の店舗は2009年に改装オープンしたもの。建物北側に庭園が広がり、その園内には江戸時代から残る土蔵やお社があります。
建物に面する直線的なL字型の池泉(水盤)や芝地こそ現代的だけど、既存の樹木や古い石灯籠、そして大きな庭石なんかはこの場の歴史を感じさせる。
元々「観光の人たちが戻ってくる前に行こう…」と思ってて、今回平日に行ったんですが、それでもほぼ席埋まってた!観光の方も多く訪れるだろうけど、住民であってもこれは通いたくなるなあ…と思ったのが《日本文化や京都文化・建築や茶の湯に関する本がずらりと並んでいて(計600冊)自由に読める』という点…。一人で行っても満喫できる!むしろ一人で行きたい!また行こ。
なおこの店舗の近くにある「とらや一条店」や先に書いた「赤坂店」、そして虎屋が指定管理者として運営している静岡・御殿場の『東山旧岸邸』の敷地内にある「とらや工房」も内藤廣が担当。近年の虎屋建築はだいたい内藤廣が担当しており、京都の寺町通でも現在新しいのが一つ建築中。
内藤廣建築の庭園として『牧野記念庭園』や『向山庭園』などいくつか紹介していますが、旭川駅も日向市駅も行ったし、あと昨年「なんかめっちゃおしゃれになってる!!!」と思った山口の徳山駅も内藤廣だったのか…など色々観に行っています。後日もう一つ内藤廣建築の庭園を紹介します。(あと今思えば茨城県北芸術祭で行った『天心記念五浦美術館』のランドスケープも良かったよなあ、中の写真しか残ってない…)
(2020年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)