住吉神社庭園“住之江の庭”

Sumiyoshi-Jinja Shrine Garden, Tambasasayama, Hyogo

国の重要伝統的建造物群保存地区の丹波篠山・福住に残る重森三玲作庭の枯山水庭園。2020年、兵庫県指定名勝に。

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住吉神社庭園“住之江の庭”について

【通常非公開/常時公開も検討中】
国の重要伝統的建造物群保存地区となっている丹波篠山市・福住の町並み。篠山藩主が京へと向かう西京街道の宿場町として栄えたこの地域の中心にある「住吉神社」(すみよしじんじゃ)は古く平安時代の1081年(永保元年)に大江匡房によって創建されたと伝わる神社。境内にある書院の表と裏に、1966年(昭和41年)に重森三玲によって作庭された枯山水庭園があります。
ちなみに大江匡房は後三条天皇・白河天皇・鳥羽天皇などに仕えた公卿。

2020年8月に大阪府・能勢の『長杉寺庭園』を訪れた流れで2年半ぶりに訪れました!峠を隔てるけど距離にすると7km程度。古民家レストランやカフェ、一棟貸し宿やゲストハウスのある福住は本当に惹かれる町だな~。

江戸時代には歴代篠山城主に信仰され、1662年(寛文2年)に四代目城主・松平康信が本殿を修復。また総ヒノキ造りの鐘楼を寄進しこちらは丹波篠山市指定文化財となっています。日本遺産「デカンショ節」にも構成。

主庭の“住之江の庭”(すみのえのにわ)は基本的には常時公開はされていませんが、塀が低いので外から眺めることは可能。この神社のルーツである大阪・住吉大社が海の神をまつることから、白川砂やモルタルによる曲線で波を、阿波の青石で島という大海原を表現した石庭。またこの地区の集落の借景もすごくよい!また七・五・三の石が配された前庭の枯山水も氏の作庭によるもの。

ここで掲載している建物側からの“住之江の庭”の写真は、毎年3月中旬開催の「丹波篠山ひなまつり」の会場となった際に拝観したもの(参考までにこちらのイベント)。またこれ以外にも街のイベント会場として用いられた際や観光向けのモニターツアー等で不定期で公開されています。

2019年からは重伝建・福住の町並みと西京街道の観光拠点に

住吉神社住之江の庭 修復後
(修復ワークショップ後の住之江の庭/篠山市教育委員会文化財課提供)

今後、このお庭は福住や西京街道の観光拠点の一つとして活用されていく予定だそう。その一環として、2019年~2020年にかけて市民参加型の枯山水庭園修復ワークショップが行われ作庭当初のきれいな姿へと変貌を遂げました!

2018年の写真と2020年の写真を見比べるとモルタルも竹垣も形を変えずに「おお~めっちゃ美しくなった!」というのがわかる。特に前庭は新しい庭園かのように見違えている。
のべ150人以上の方が参加したというワークショップ。遠く在住だった自分は参加がかなわず残念だったけど、「重森三玲の庭がさわれるだなんて…羨ましい…」という取り組みでもあり興味深かった。そしてその取り組みもきっかけの一つとして、2020年に兵庫県指定名勝に!

常時公開するかどうかはまだ今後関係各所と調整とのこと。立地的には有利な場所とは言いがたいので、常時公開が正開かはわからない。現在のように“住吉神社ビアテラス”のような街のイベント活性化の中心地として活用されていく~みたいな方向性でもきっと決して間違ってはいないんだろうな~。
まずは地元の方にこの枯山水庭園が愛されることを願って。

ちなみに篠山市内には同じく重森三玲が作庭を手掛けた『本休寺庭園』、『正覚寺庭園』、レストラン如月庵の庭園などあります。以下の「関連する庭園」よりご覧ください。

(2018年3月、2020年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR福知山線 篠山口駅またはJR山陰本線 園部駅より路線バス「福住」バス停下車 徒歩10分
※いずれからも1日4往復程度なので事前計画をしっかり!時刻表はこちらを参考に。神社の近くには「福住上」「福住川原」というバス停もありますが、篠山方面からのバスはそこまで来ないバスもあるので注意。

〒669-2512 兵庫県丹波篠山市川原270 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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