四国村(四国民家博物館)

Shikokumura Open-Air Museum, Takamatsu, Kagawa

国指定重要文化財6棟を含む歴史的建造物が点在する四国最大の古民家博物館。世界的彫刻家・流政之作庭の庭園も。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

四国村(四国民家博物館)について

「四国村」(しこくむら)こと『四国民家博物館』は源平合戦の地・屋島の麓に1976年(昭和51年)に開園した野外博物館。国指定重要文化財6棟を含む計33棟の歴史的建造物が移築されているほか、安藤忠雄設計により2002年に開園した『四国村ギャラリー』も。そして園内の主要部分の造園は世界的彫刻家・流政之が手掛けています。

屋島の麓の坂道はこれまでも何度か通り掛かっていたけど入ったことがなかった四国村。2021年年始に初めて訪れました!
2020年に初めて訪れた大阪・服部緑地の『日本民家集落博物館』も四国の文化財古民家が移築されていて「すげーなー」と思ってみていたけど、四国村は更にスケールが大きかった…!その広さ約5万平方メートル。

後述の古民家群はもちろん楽しいのだけれど、アプローチの“流れ坂”などの園路は庵治の石丁場から切り出された花崗岩や四国の青石がふんだんに使われていてすごくかっこいい。
“流れ坂”や順路終盤の”染が滝”の作庭を手掛けたのは、高松に制作拠点を置いた彫刻家・流政之。氏が作庭を手掛けた鳥取県のメタボリズム建築『皆生温泉 東光園』の庭園とはまた全く違う魅力が味わえます。

広大過ぎるので建物を羅列…。

■国指定重要文化財
・旧河野家住宅(江戸時代中期)
・旧下木家住宅(江戸時代中期)

■国指定重要有形民俗文化財
・砂糖しめ小屋・釜屋(とんがり屋根がかわいい)
・醤油蔵、麹室

■国登録有形文化財
・旧江埼燈台退息所
・旧鍋島燈台退息所(日時計・北水槽・東水槽・西水槽・倉庫など計6棟)
・旧クダコ島燈台退息所(日時計・通用門・表門・別棟など計5畝)
・楮蒸し小屋(昭和初期)
・久米通賢先生旧宅主屋(江戸時代・坪庭もある)
・旧稲田家住宅土蔵(明治時代)
・石舟のアーチ橋(明治時代/石工は兎子尾与次郎・米吉)
・旧福井家の石蔵(明治時代)
・旧土佐三崎の義倉(江戸時代後期)
・小豆島の石蔵・消防屯所(大正時代)
・旧前田家土蔵・座敷(明治時代)
・森野家住宅風呂便所(大正時代)
・潟元消防組第四部新馬場消防屯所(大正時代)
・異人館ワサ・ダウン住宅(明治時代/神戸・北野から移築。現在はカフェ)
その他、江戸時代の常夜燈や金毘羅石燈籠も。

■香川県指定文化財
・旧山下家住宅
・旧丸亀藩御用蔵
・旧丸亀藩斥候番所

■高松市指定文化財
・小豆島農村歌舞伎舞台(服部緑地にもあったなあ)
・茶堂「遊庵」(流政之作の石仏も。)
・旧中石家住宅(祖谷の民家)
・旧吉野家住宅(漁師の家)

■非・文化財
・かずら橋(徳島・祖谷のが有名な橋。カメラなんて出せない緊張感!)
その他、春には梅に桜にシャクナゲやチューリップ、初夏には紫陽花。秋には紅葉と季節の花々も楽しめそう。

あと今回訪れて気がついた(知った)のは…四国村は公営の施設ではなく、民間の一個人により創業された施設だったということ(現在の運営は「公益財団法人四国民家博物館」)。設立者・加藤達雄さんが立ち上げた現・カトーレック株式会社は元々は高松藩で廻船問屋が起源。
“古民家”から来る施設のイメージは素朴なものなのだけど、そこにはノブレスオブリージュの思想があった(のだと思う)。

>>安藤忠雄設計の『四国村ギャラリー水景庭園』は別途紹介。

(2021年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

琴電志度線 琴電屋島駅より徒歩7分
JR高徳線 屋島駅より徒歩15分
高松駅より6.5km(駅にレンタサイクルあり)

〒761-0112 香川県高松市屋島中町91 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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