尚玄山荘 日本庭園

Shogen Sanso Japanese Garden, Tamana, Kumamoto

グッドデザイン賞/くまもとアートポリス推進賞なども受賞した美術館のような温泉旅館!三井の保養所から受け継がれる歴史的日本庭園も。設計:竹中工務店。

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尚玄山荘 日本庭園について

「尚玄山荘」(しょうげんさんそう)は熊本県玉名市の玉名温泉にある温泉旅館。1993年(平成5年)の開業で、竹中工務店(九州支店)が設計・施工を手掛けた“和モダン”な建築は1995年度グッドデザイン賞、第1回くまもとアートポリス推進賞、甍賞の金賞/通商産業大臣賞などを受賞。約1,350坪の広さの回遊式日本庭園もあり、客室から眺められます。

九州新幹線・新玉名駅から約2km程、玉名市の市街地からもすぐの場所に位置する「玉名温泉」。その歴史は古く約1300年前(奈良時代)の開湯と伝わります。
その温泉地の一層の発展を迎えたのは近代。温泉採掘の技術が広まったことや鉄道の開通、さらに隣接する福岡県大牟田市の三井炭鉱の発展と共に玉名温泉も観光温泉地として発展。ちなみに元々は「立願寺温泉」という呼称で、玉名温泉と改称されたのは戦後のこと。

冒頭の通り「尚玄山荘」は平成時代の開業ですが、その前身は近代〜昭和時代にかけて用いられた『三井立願寺温泉保養所』。国土地理院の航空写真を見ると、昭和時代半ばには現在も残る日本庭園が存在したことがわかります(そして実は現在も玉名市には道路に「元三井保養所」という呼称が残っているのだそう)。 炭鉱の時代を終えた平成時代に三井グループから地元企業(有明総業)へと所有が移り、元の庭園はそのままに建築はリニューアルされ「尚玄山荘」が開業しました。

…ちなみにこの地元企業さんの話も。この有明総業/尚玄山荘のグループ企業が実は、SNS(主にX)での「文化財ネタ」で大変人気を博していた「九州文化財研究所」さん!有明総業/九州文化財研究所両者のトップが、測量や文化財の発掘に取り組まれている建設会社「ARIAKE」さんという関係性。
そんな縁からか?ロビーには肥後熊本藩御用絵師・矢野右膳も掲げられ、後述の日本庭園が残されたのも「文化財の発掘をされている企業のグループ企業だからこそ」なのかも…。

「尚玄山荘」の名前の由来も玉名の歴史的人物。江戸時代に玉名で生まれた医師・徳永尚玄。熊本藩の藩校・時習館や長崎で学び藩内の医療に貢献した氏は、玉名では親孝行をしたエピソードでも地元では有名…なのだそう。

歴史の話を色々書いてきたけれど、冒頭の通りグッドデザイン賞やくまもとアートポリスを受賞したモダンな建築が現在の客室棟。玄関入ってすぐの坪庭や水盤の中庭、細い光の差すロビーなどどこかの美術館みたい…!(個人的には淡路島の『TOTOシーウインド』思い出した…!)RC造ながら大きな瓦屋根が特徴で、こちらで甍賞の金賞/通商産業大臣賞を受賞しています。

そんな客室棟の奥には、またモダンな建築とはまた趣が異なる日本庭園があります。池泉を中心として、自然の斜面の中に桜、ツツジ、サツキ、モミジ、サルスベリ…と四季の花木の植わった池泉回遊式庭園。斜面をのぼった先にも竹林や四阿があり、その面積は約1350坪!
訪れた時にはこのお庭も建築と同時に作られたものなのかなぁ、と思っていたけれど、調べてみるとそうではなく先にふれた『三井立願寺温泉保養所』の時代に作庭されたもの。公式サイトでも「百年の歴史を誇る日本庭園」と紹介されています(そのまま受け取れば大正時代の作庭、そうでなくても昭和初期?)。

このお庭、宿泊者向けに毎日夜にはカラフルなライトアップも行われています。熊本のモダンな建築の温泉旅館——新幹線駅から近い割には穴場かも!ぜひ訪れてみて。

(2026年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR九州新幹線 新玉名駅より路線バス「富尾入口」バス停下車 徒歩5分
新玉名駅より約2km(徒歩25分)
JR鹿児島本線 玉名駅より路線バス「足湯前」「玉の湯前」バス停下車 徒歩10分

〒865-0007 熊本県玉名市河崎1-1-1 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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