真如院庭園

Shinnyo-in Temple Garden, Kyoto

室町幕府15代将軍・足利義昭のために織田信長の命で築庭され、重森三玲により復元された独特の枯山水庭園。

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真如院庭園について

【通常非公開/秋に特別公開日あり】
「真如院」(しんにょいん)は室町時代に創建された、足利将軍家や織田信長も訪れたという寺院。昭和中期頃に現在に移転し、現在残る庭園は重森三玲により作庭されたもの。通常非公開ですが、毎年10月終盤の週末に特別公開されています。
※2019年の特別公開日はKYOYOdesignさんに最新情報が載ってました

2018年秋に「京都非公開文化財特別公開」へ足を運んだのは同タイミングで特別公開されていたこの庭園を無性に観たくなったもあり。
そして撮影不可と聞いていたのですが、ダメ元で聞いてみたら撮影OKを頂けた…!歓喜…!ヽ(・∀・)ノ━(∀・ノ)━(・ノ )━ヽ( )ノ━( ヽ・)━(ヽ・∀)━ヽ(・∀・)ノ
(2019年もそれが通るかはわかりません…こちらも要請があったら写真を下げるので悪しからず…)

六条堀川にあった「本圀寺」(こちらも現在は移転)で室町幕府13代将軍・足利義輝により天下太平の祈願をされた際に、後の15代将軍・足利義昭が気に入った「鳥帽子石」を宿院とした真如院に移動。この鳥帽子石は現在も庭園中央に残ります。
その後、上洛した織田信長が足利義昭との会談の為、庭園愛好家の足利義昭のために最初の「真如院庭園」を造営したと「信長記」に記されているそうです。なお本圀寺は足利義昭の仮居所「六条御所」にもなりました。
その当時作庭された庭園は江戸時代後期に発行された京都の庭園案内「都林泉名勝図会」にも掲載。その後改修・荒廃した時期もあったそうですが、現在の枯山水庭園は「都林泉名勝図会」等を参考とし復元されたもの。

この庭園の特徴はなんと言っても池を鱗型の小石を敷き詰めて池泉・流れを表現している所。この独特の表現はさんによるオリジナルではなく、室町時代の作庭当初からこの表現が取り入れられていたと推測されそれを再現したもの。古庭園でこのような表現をしている庭園ってあまり見たことないのですが、他にどこがあるかな…。また「鳥帽子石」の前に建つ小さな「瓜実燈籠」も足利義昭ゆかりのものとされます。

現在の境内は決して広くないので庭園も小規模なものではありますが、苔も美しいその独特な枯山水はいつまでも眺めていたくなる……。パンフレットに載る「都林泉名勝図会」の絵ではより大きな築山と池泉を表現したものだったよう。模造であっても見てみたくもなる――というのは御法度でしょうかね。

(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 五条駅より徒歩12分
JR山陰本線 丹波口駅より徒歩約10分、各線 京都駅より徒歩25分
最寄りバス停は「堀川五条」バス停 徒歩3分

〒600-8357 京都府京都市下京区猪熊通五条上ル柿本町677 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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