湧水庭園 四明荘(旧伊東氏庭園)

Shimeiso Garden, Shimabara, Nagasaki

“日本で最も水の美しい文化財庭園”候補…島原城下町の湧水群を活かし明治時代に作庭された庭園と近代和風建築。国登録記念物(名勝地)/登録有形文化財。

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四明荘庭園について

「湧水庭園 四明荘」(ゆうすいていえん しめいそう)は長崎県島原市の中心部の『鯉の泳ぐまち』にある、美しい湧水による池泉式日本庭園。明治時代に建立された建築が「旧伊東家住宅(四明荘)」として国登録有形文化財、庭園が「旧伊東氏庭園(四明荘庭園)」として国の登録記念物(名勝地関係)の文化財庭園となっています。

2026年に再訪したので写真を追加して改めて紹介。2,000箇所の庭園を紹介している当サイトの中でも、『最も水の美しい庭園』――の一つと言える存在。

『島原城』の城下町である島原の町は「島原湧水群」が日本の名水100選に選ばれる湧水の町でもあります。
島原城の大手門跡からは徒歩10分弱、武家屋敷通りとは逆側の旧・商人街(現・商店街)近くに位置する「四明荘」は、明治時代〜大正時代にかけて当地の医師・伊東元三の別邸として建立された近代和風建築。主屋の座敷から四方の眺望に優れることから「四明荘」と名付けられたそうで、一方で地元では“水屋敷”という名でも親しまれているそうです。主屋と表門の2棟が国登録有形文化財。

表門をくぐると、すぐに主屋が目に入るのですが、そのままの目線で先には雲仙岳がそびえる。アプローチのすぐ隣にある池泉が国の登録記念物(名勝地)にもなっている庭園で、とにかく水が透き通って美しい……これまで三度訪れて全て濁りがなく美しい。雲仙岳からこんこんと湧き出る湧水を活かした池泉式庭園で、1日1000トン〜3000トンもの量の水がこの池には湧いているのだとか。

この池泉にせり出すように建てられた主屋の座敷との一体感がまた数寄屋建築としてもかっこいい…規模は大きくなくとも「お庭との一体感」で美しさは形成される。この庭園は実は「禅僧」により作庭されたそうなのですが(詳細は不明)、歩くことはできないのですが南側には茶庭・露地の様な空間が広がり、その飛び石〜沢飛び石を辿っていくと池泉の南側をまわって表門へと辿り着く回遊式庭園になっているので――その辺が茶の湯に精通した禅僧による指導だったと考えられるかも。池泉の左右に植ったモミジが秋には赤く染まりお庭を彩ります。

この美しい湧水池には色とりどりの鯉が泳ぐ。ちなみに四明荘庭園で池の中央を泳がず主屋の下に隠れてる鯉が多いのは、日陰部分の苔を餌として好むからなのだとか。中央を泳いでくれたらより写真映えしそうだけど、鯉がおらずとも十分に水が美しすぎるお庭。

この主庭だけでなく、建物の北側にはもう一つの池泉のお庭が。こちらは池泉の形が整形されているのが特徴的で、主庭がモミジなど新緑や秋に映える庭園ならば、こちらは初夏には花菖蒲が、夏にはサルスベリが池泉を彩る夏のお庭。

見学が有料化されたのは2017年で、それ以前(初めて訪れた頃)は無料でこの美しい庭園が鑑賞できました。無料の方が良かったとかそういう話ではなく…初めて訪れた時に「なにこのめちゃくちゃきれいな池のお庭…!?」と感じたポテンシャルの高さでもって、有料化されたことで「島原の代表的な観光スポットの一つ」としてPRされ、認知も高まり、訪れるたびに来園者も増えている様子が伺えます。『最も水の美しい庭園の一つ』は大げさではないので、ぜひ未踏の方は足を伸ばしてみて。

(2014年9月、2018年10月、2026年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

島原鉄道 霊丘公園体育館駅より徒歩6分
島原鉄道 島原駅より徒歩10分 ※島原駅にレンタサイクルあり

〒855-0803 長崎県島原市新町2丁目125-1 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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